第447話 トリアンへの帰着3

「じゃあ先に馬を預けるのに、ジーモントの実家に向かいますね」

 シミリートがラルフたちに説明をしている。

 ゾフィたちの実家に馬をつなぐ場所がないため、馬屋のある宿屋であるジーモントの実家に連れて行くことになっている。


「ジモ!お帰り!」

 その宿屋“満月の宿木亭”でジーモントは両親から帰宅を歓迎されていた。

「月末でも無いし、相変わらずの客数だな」

「まぁいろいろとあって冒険者の数も減っているからな」

 ならば馬を7頭とめるのも問題ないなというジーモントの案内で、みなで馬屋に向かう。


「あれ?これって」

「ホーじゃないか?」

 そこには見覚えのある戦馬(バトルホース)がつながれていた。

「なぁ、もしかして宿泊客にシャドウとフェザーっていう兄妹がいる?」

「あぁ、そういえばジモの知り合いだから来たって言っていたな。6人組だが、な」

「え?あ、ウィンデルさんたちも、か」

 クロリス商会専属の冒険者4人がシャドウ兄妹と一緒に泊まっているのだと思われる。

「今はちょうど出かけているはずだし、晩飯のときにでも会えるんじゃないか」

 ジーモントが父親と会話することで驚きの情報が入ってくる。


「俺たちも晩御飯はここに来ようか」

「シミ、実家でご飯食べてから来る方がお母さんたちは喜ぶと思うわよ」

「そんなものかな。まぁ帰ってから相談したら良いか」

 ジーモントを宿屋に残して、シミリートの実家の武器屋“輝星(きせい)の武器庫”と、その隣の“オトマン書肆(しょし)”に徒歩で向かう。


 思いもかけずアマルダも一緒に向かうので、彼女のことを気に入っている兄たちシドーニウスとウィルフリードに良くやったと褒められるかも、と思いながら実家に向かうシミリート。

 しかし実家に近づいたときにユリアンネが驚いた顔でつぶやく。

「え!どういうこと……」

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