第385話 アナスガーからの評価2
「評価いただけたことはありがたいのですが、よろしかったのでしょうか?」
「もちろんです。先ほども申し上げたように、騎士団員100人よりも冒険者数百人の方が今のこの街では大事です。騎士団も魔術師団も山脈を通過した時点でお別れになりますが、今の魔物が溢れた状態が続く限り冒険者には頑張って貰う必要がありますし、山脈が落ち着いてもこの街はもともと冒険者によって成り立っておりますので」
アナスガーはフェルバーとニキアスの方を向いて、あらためて頭を下げる。
「魔術師団の皆さんが、山脈向こう側のストローデ領の情報入手をして下さったことや、我が妻に成りすましていたヴァンパイアを退治して下さったことも、騎士団の方に共有していたのですが。騎士団の方による魔術師団の方への態度は噂以上ですね」
「我々が至らぬばかりで……」
労いの言葉だけでなく、証跡があるだけの魔物討伐に対する報奨も渡される。
「再び挑戦して貰えると思って良いのですよね?」
「はい。しかし我々だけでは力不足とも感じましたので方法を考えます……」
「どうぞよろしくお願いします」
部下が手配していた宿に戻った二人は、代官アナスガー子爵から貰った報奨をもとに、無くした馬や消耗品の追加調達などを指示する。
別宿に泊まっているシミリートたちには翌日に打合せする旨だけ伝言を残す。
そのシミリートたちは大量に消耗した矢、薬草、調味料などの調達に走っている。
明確に自分たちが倒した魔物について、その素材の納品や討伐証明の代金を貰いにも行っている。
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