第347話 帰郷準備3
クロリスの協力もあり、ある程度の装備の更新を行った仲間達。
「ねぇ、結局どうやってトリアンに帰れば良いのかなぁ」
「そうだな。モンヴァルト山脈の魔物を考えると王国軍と一緒の方が確実だよな。でもそれだと軍勢の遅い歩みに合わせることになるから帰るのは遅くなるよな」
「でも、南のステルビア王国を経由するとそれだけ遅くもなるわよね」
「どっちもどっちよね。悩んでいても仕方ないから、東に進んでいく?ルードルフの街辺りにまで行ってみるとか。もしかすると山脈の魔物も討伐されているかもしれないし」
「確かに、王国軍と一緒に行くと、現地についてからストローデ領軍に加勢するのが難しくなるよな……」
どちらが正義か自分たちで分からない中で、片方の軍勢に参加することを決めるのはしたくない。
結論が出ないまま帰郷準備を進めていたところへ、魔術師団からの呼び出しが来た。帰郷準備が忙しく冒険者ギルドに顔を出していなかったのだが、直接、店舗兼住居の借家に使者がやって来たのである。
「オテロ・フェルバー大尉がお呼びである」
「今回も軍勢参加の要請かな……」
「そうだろうけれど、行かない選択肢は無いよな……相手は貴族様でもあるのだし」
覚悟を決めて、ドロテアには留守番を頼んで6人で魔術師団の拠点に向かう。
「“選ばれた盟友”の皆さん、よくお越しいただきました。北の国境防衛では本当にお世話になりました」
応接室で出迎えてくれたのは相変わらず腰が低い副官のニキアスであった。
「フェルバー大尉もすぐ来られますのでしばしお待ちください」
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