第395話 エックハルトへの相談2
「なるほど。山脈を越えたい魔術師団の皆さんの想いと、代官の魔物を退治したい想いの落とし所ということですね。確かに15人も居る魔術師団員の方々を山脈の向こう側にお連れするには良い案だと思います」
「でも、峠を越えたところでサヨナラなんだよな。こっちの西側に戻る俺たちは、地龍(ドレイク)や飛龍(ワイバーン)の相手をもう一度することになるってことか?」
シグランは内容について理解をするが、横で聞いていた冒険者は問題点に口を出す。
「はい、そうです。ですので、ドレイク達を倒すことなく馬で駆け抜けるだけのやり方ではなく、西への帰路も安全になるように倒しながら東に進むことが必要になります」
「兄ちゃん、簡単に言ってくれるが、ドレイクはBランク魔物、ワイバーンなんてAランクだぞ。しかもあそこは群れで発生していると聞くぞ」
「はい、数日前に群れを見てきました」
「ならば」
「そのときにはドレイクたちだけでなくワイバーンも1体ですが倒してきました」
「そ、そうか。若いのに腕利きなんだな。だが俺たち皆がそうではないぞ」
「だからこそ、金級エックハルトさんと銀級シグランさんにもご協力をお願いしたいのです」
シミリートの説明で諸々が、シグランだけでなく周りの冒険者達にも伝わったようである。
「俺たち、人の面倒を見るのが苦手なんだよな」
「エック、たち、ではなくあなたが、でしょ」「でもその通りなのです。彼は誰かを護衛というのは苦手でして」
「いえ、以前に東向きへの戻りに同行頂いたときと同様に、お二人には自由に魔物を相手して頂くだけで大丈夫です。それだけで他の参加者の安全度が大幅に上がりますので」
「私たちが倒した魔物の死体の所有権は私たちに、というのは当然として、それ以外にはいかほど頂けるのでしょうか?」
「お二人にはしっかりと個別報酬を払って貰うように魔術師団に調整します」
「なら良いんじゃないか?」
「エック!」「まぁそうですね。報酬次第ですが良いと思います」
「流星さんたちが参加するならば俺たちも。これは勝馬に乗れるぞ!」
周りの冒険者たちも参加を表明するが、シミリートが念押しをする。
「個別報酬はお二人に対してだけですよ」
「わかっているさ。それでも高ランク魔物のおこぼれに期待できるだろう?」
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