第460話 トリアンでの今後の計画3
「シミ、流石だな。いつもニキアスさんとの交渉をしてくれてありがとうな」
「ジモ、いきなりどうしたんだ?」
「いや、改めて思ったんだよ。あまり交渉の場に同席することもなかったし」
魔術師団の仮拠点からトリアンに戻る際、ジーモントがシミリートに感謝する。
「たいしたことはしていないさ。それよりも、衛兵と王国魔術師団が連携してくれるようになるのはありがたいな」
まずジーモントの実家でもある宿屋に戻り、ウィンデルたちに会う。
「なるほど。これが王国魔術師団からの依頼の手紙か」
「はい、報酬もこちらに。隣のルオルゾン領の領都ヒマーゼンと、王都宛の2通です。信頼できる冒険者に、となると思い当たるのがみなさんしかいなくて」
「上手いことを言うな。しかし、クロリスさんのところに戻らなくては、と思っていたところだ。ついでの仕事にしては割りが良いものを紹介してくれた」
「普段と違って逆に面倒になりかねないので、冒険者ギルドを通さない直接の依頼で申し訳ないのですが」
「もともと商会専属の俺たちだから、そこはあまり気にしなくて良いさ。報酬も先払いにしてくれているしな」
続いてシミリートだけで衛兵団の拠点に向かう。
「そうか、中隊長の大尉の方まで了承を貰えたか」
「はい、フェルバー中隊長は男爵ですが、貴族であることを鼻にかける感じではない方でして」
「シミ、このトリアンでは貴族とのやり取りなんてなかったのに、堂々とやり取りできるようになったんだな」
セレスランから驚きの言葉がかけられる。
「そういう意味では、騎士団の貴族たちとは喧嘩っぽいことも……。冒険者として、ですが」
「衛兵団との関係のないところで良かったよ……」
まだしばらく衛兵団には休職のままということで、衛兵団の寮にも立ち寄らずに実家に帰るシミリート。マンファンが上層部と相談をした結果をニキアスたちに届けるため、明朝に再び来る約束をしてある。
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