第461話 ウィンデルたちの送別会
ジーモントの実家である宿屋“満月の宿木亭”で、ウィンデルたちの送別会を行っている仲間たち。
先輩冒険者であるウィンデル、アントニウス、ソフィアン、テルマの4人から、親しい人が亡くなったときの気持ちの切り替えは時間が解決するものだと言われていたユリアンネ。だからこそ無理に笑顔を作ろうとはせず、ただ部屋にはこもらずに皆と一緒にいるように、とのアドバイスに従い、送別会にも参加しているユリアンネ。
「みなさん、お世話になりました。本当にありがとうございました」
妹のフェザーが4人にお礼を良い、兄のシャドウがそれに合わせて頭を下げているのを見ると、最近は兄妹の役割ができたのかと思われる。
「でも、まだトリアンは落ち着かないようだし、気をつけるようにな」
「私たちがしっかり相手するわよ。任せておいて」
「カミラは相変わらずだな。頼むぞ。ちなみに待っている間に、トリアンダンジョンには連れて行ったぞ」
「へぇ。今は何階にまで?」
シャドウとフェザーが共に黒色のペンダントを見せてきて
「13階よ」
とフェザーが答える。
「え?もう?地元の私たちも22階までなのに」
「じゃあ、負けていられないわね」
ソフィアンにからかわれているカミラ。
「ダンジョンに潜る冒険者が減ったらしいし、素材の買取には少し色をつけてくれるから、宿代などの生活費には困らないわよ」
「仲間価格で割り引こうとしても断られたらしい」
ジーモントが親から聞いた言葉を補足する。
送別会ではあるが、寂しい感じにはならず明るい空気感が流れていく。
「じゃあ、私たちはそろそろ帰るわね」
この高級街ではなく港街に近い方に家があるカミラ、ゾフィ、ヨルクの3人が席を立つ。
「あら、じゃあ私も」
カミラたちの様子を見て、ラルフとアマルダが自分の顔を見てきたのに気づいたユリアンネも席を立つ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます