第403話 不死者ダンジョン最深部

 レイスの攻撃を受けてしまったジーモント。

「だ、大丈夫だ。ただ、なんか体に力が入らず……」

「傷回復ポーションでは効かないと言うけれど……とりあえず≪回復≫≪軽病治療≫。それと解毒ポーション、魔力回復ポーション。ついでに丹薬も」

 ユリアンネもどれに効果があるのか分からないので色々と試してみる。

「オィオィ、そんないっぺんに無理だよ」

「って、ジモ、大丈夫なの?」

「あぁ、どれが効いたのかな。少なくとも最初の≪回復≫ではなかったな。感覚的には≪軽病治療≫か魔力回復ポーションか。何となくだが魔力回復だったのかな」

「そうか、確かに精神攻撃というし……」


 少し休んだ後、さらに進む中でやはり誰かはレイスの攻撃を受けてしまうが、魔力回復ポーションを飲ませると復調することが確認できた。

「じゃあユリ、魔力回復ポーションを皆に配っておいてくれ。万が一にユリが倒れた時に困るし」

 シミリートの指示で皆が魔力回復ポーションを持って、さらに奥に進み、いよいよ地図では最奥の部屋の手前までたどり着く。


「ここで一回休憩しよう。次が最後だしな」

「この感じだとダンジョンボスが居そうよね。ダンジョンコアもあったりして」

「コアには期待があるが、ボスは……いったい何が待っているのだろうな」

「この扉に隙間があれば、使い魔のシルヴィスに活躍して貰えるのに、ぴっちり閉まっているわよね」

「トリアンダンジョンの場合、その階層に一番出てきた魔物がたくさんか、その上位の魔物かだったよな。ゴーストとレイスがたくさん、かな」

「うわぁ、それは面倒だな。ここでやめて帰るか?」

「ここまで来てそれは無いだろう!」

 皆の決意も固いようであり、休憩が終わったところで最後の扉を開ける。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る