第331話 使い魔を使った偵察2
鳥の使い魔がいるニキアスに、使い魔のことを教えて貰うユリアンネ。
「そうですね、鳥は卵から孵化するときにすり込みが必要なので、なかなかタイミングが難しかったですよ。私は運が良かったですね」
「猫などの哺乳類も生まれるタイミングに立ち会うのは同じように難しいのではないですか?」
「犬猫は多産なので、1頭目が生まれてから呼ばれても間に合うので、まだマシと言われていますね。まぁどちらもすり込みの機会を作ることを仕事にしている業者の支援がないと、なかなか難しいですね」
「魔物を従魔にするのではなく、一般の鳥獣を使い魔にする場合、魔物や他の生物に襲われる心配がありませんか?」
「そうですね、小鳥だと鳥系の魔物に襲われることも覚悟が要りますね。猫などでも子供のときは小さいので余計に色々な危険がありますが」
「魔銀(ミスリル)を用いた人工生物の使い魔は、モンタール王国の魔術師団ではどのくらいいるのですか?」
「そうですねぇ。人工生物の使い魔は、素材の準備だけでも大変ですから、ほとんど見かけませんね。まぁ貴族の子弟の一部ぐらいですね」
「あ、帰って来ましたね。思ったより遅かったですね。お話はここまでで」
ニキアスの使い魔の鳥が戻って来るのだが、ふらふらと飛んでいる。
「あぁ、リン、大丈夫か!?敵の攻撃を受けたのか!?」
ニキアスが慌てて両手を、水をすくうような形にして、何とか飛び込んできた使い魔の鳥、リンを受け止める。
ユリアンネが傷回復ポーションを取り出し、ニキアスが頷くのを見てから、その使い魔の矢傷と思われるところに振りかける。
すると元気を取り戻した使い魔が少し飛んでニキアスの肩にとまる。
「あぁ、ありがとうございます!リンは、生まれたところから育てた子供のような存在ですので!」
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