第304話 王領北部への道中2
流石に自国の魔術師団員のローブを着た集団を襲う盗賊は居ないようなのと、14人もいる集団を襲う魔物は街道沿いに居なかったようである。
もしかすると魔物については先発の騎士団員たちを襲って返り討ちになったのかもしれないが。
逆に、食事に使うための魔物肉を自然体では追加入手できないため、角兎ホーンラビットなどを自身で能動的に狩りに行く必要がある。ただ隊列から遅れると迷惑をかけるため、すぐに追いつくことができる戦馬バトルホースに乗っているユリアンネと、カミラもしくはゾフィが狩りに行く。
食べる人数はそれなりであるため、その数を集めるにはユリアンネの≪魔力矢≫の多発が効果的であり、また戦馬自身がその脚力を活かして急接近するだけでなく蹴り上げて殺していた。
「やっぱりCランク魔物とEランク下位では力の差があるわね」
「上に乗っている私たちのことももう少し気遣ってくれたら良いのだけど、手綱と鞍で落ちないとわかっているんだろうね」
目立たないようにしているつもりであり、≪魔力矢≫の多発を見た魔術師団員が話していることに気づいていない。
「やはり、ハイオークキングを実質2人で倒したと言うのは本当だったのだ」
「銀級冒険者らしいぞ。俺たちより強い魔法を使えるのでは?」
「ただ、戦場では前線で敵国と戦うのではなく後方支援のために向かうらしいじゃないか」
「回復魔法の使い手なのか?」
「いや、それは知らないが、あの分隊は大量のポーションを持参しているらしい」
「なるほど。でも、それは助かるな。魔術師団員でも回復魔法が使えるものは少ないし、苦手なそれらに駆り出されて攻撃魔法のための魔力を消費せずに済むならばありがたいな」
知らず知らずのうちにだが、ジーモントの食事の効果も含めて、この小隊のメンバとは揉めることなく上手くやれそうな気配である。
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