第388話 フスハレ北のセルヴ大森林
宿に戻ったシミリートはニキアスと話した内容や、冒険者たちとの共闘のことなどを共有し、フスハレの街で数日間の猶予が得られたことを話す。
「よし、じゃあまずは解体を街の外で行なって、その鱗などで防具の強化を発注しようか」
「肉もちゃんと残すんだぞ」
「わかっているよ」
すでにニキアスには、待機期間中に街を出ることがある等はシミリートが伝達済みのため遠慮なく街の北側に向かう7人。
「いっそのこと魔の森の探索もしてみたいな」
「以前の巨大蜂のリベンジ?良いけれども、色々と用事を済ませてからね」
街の周りの平原では他人の目も気になるので、北にある魔の森、セルヴ大森林の中にまで入り込む。魔の森でも入り口程度であればそれほど強い魔物も来ないとの期待もあり、少し開けた場所を探す。
「よし、ここで解体しようか。ユリ、出してくれ」
ユリアンネがまずは地龍(ドレイク)の死体を取り出し、用意していた大きめの瓶にそのドレイクの血も念の為に保管しておく。また必要な血をとった後は、実験のためにも≪吸血≫ダガーをしばらく突き刺してから、皆で手分けして必要な素材を取り出す。
冒険者ギルドに納品しなかったドレイク2体の死体も全てさばいた後は、いよいよワイバーンの死体である。
「この血は大事よね。しっかり瓶に取っておいてね」
「そんな何体も使い魔を作るほどミスリルは無いわよ」
「きっと売れるわよ。さっきのドレイクよりも高くね」
「ゾフィはしっかりしているわね」
このワイバーンについても瓶に血をとった後、それでも巨大な体なのでまだまだ出てくると思われる血を≪吸血≫ダガーに吸わせながら、牙や爪を剥がしたり、討伐証明部位である尻尾の先を切り落としたりとこちらも皆で手分けする。
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