第473話 ダンジョン内での初会合

「はじめまして。ストローデ領衛兵団、東部旅団第3大隊の分隊長のマンファン軍曹です」

「こちらこそ。王国魔術師団の中隊長オテロ・フェルバー大尉です」

 トリアンダンジョンの3階にて、衛兵のマンファン、セレスランと魔術師団のフェルバー、ニキアスの会合を実現させたシミリート。あまり多くの人数では目立ってしまうので、この5人だけである。


「シミリートさん経由でやり取りさせていただいていますが、対面は初めてですね」

「は、対向として役職不足で申し訳ありません」

「そんなことはありません。シミリートさんに伺った、あまり上にあげすぎると独立派に感付かれてしまう懸念も理解できますし。我々としてはトリアンについて詳しい方と連携できるだけで大変ありがたいのです」

「そう言って頂けますと幸いです」


 書面とシミリートの口頭による伝言のみではどうしても不足であったことについても、対面により相互認識が深まる。

「え!吸血鬼ですか?」

「はい。モンヴァルト山脈で高ランクの魔物が増えたのは、始祖吸血鬼ニキシオンが理由とのことです。という話も、そちらのシミリートさん達がその配下の吸血鬼たちを倒して入手できた情報ですが」

「シミ、聞いていないぞ」

「すみません。他の優先事項が多かったので……」

「まぁそうだな。悪かった。しかしそれは重要な情報。おそらくストローデ領主家の血統魔法が関係しているのでしょう」

「それは?」

「はい、この侯爵家の血統魔法がそういう関係との噂を聞いたことがあります。また今の領主代行が血統魔法を強く発現できているのが誇りということも」

「なるほど」

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