第530話 秘密基地への来襲2

「ユリ、もう、かよ」

 階段を使って降りるのが面倒なシミリートとジーモントは、ユリアンネが開けた窓から庭に飛び降りて駆け出していく。

 ゾフィ、ドロテアはユリアンネと同じく2階の窓から弓矢や魔法攻撃を行うが、ヨルクとカミラはデン達が向かったはずの地下室への防衛のために階段を降りていく。


 屋敷の庭では、侵入者達も気づかれたことを認知したので、忍び足での進行も諦めて建物に駆け寄ろうとしている。

「させないわよ!」

 屋敷に近いところでは、自分たちの建物を燃やさないために≪氷壁≫、そして遠いところにはドロテアも含めて火魔法で攻撃を開始する。

 戦馬(バトルホース)のゼラ、ライオ、ペルルの3頭も、動いて良いのだと認知したのか、馬屋から駆け出してきて、侵入者の背後から蹴り込んでいる。


「なんだ、こいつら!」

「何が素人の屋敷だ。所詮(しょせん)は冒険者達って話ではなかったのか?」

 侵入者達は混乱をしているなか、シミリートとジーモントが接近戦も行ってくる。


 中級火魔法である≪火炎≫を発動してくる魔法使いが敵方にも居たが、ゾフィが≪遠射≫のショートボウで的に狙うと防御でいっぱいになっている。後方にいたことで、ゼラ達にも狙われているようである。


 シミリートとジーモントが多人数に囲まれないように壁魔法で分断させておき、個々に対処していく。その頃には使い魔シルヴィスも戻ってきて攻撃に参加しており、適当な敵に突撃をさせている。



「お前達!そこまでだ!」

 主に建物にたどり着かせないように侵入者に攻撃をしていたのだが、そのかかった時間の間に、セレスランが率いる衛兵団が到着したようである。

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