第301話 参戦準備
「しばらくポーションや写本の納品はできないことは承知しましたが、どうか気をつけて」
クロリスにも話をし、調合するための材料の薬草などは在庫にあるだけ購入させて貰う。
そして、王都に来て初めて、借家を完全な留守にすることになるので隣近所にその旨を挨拶して行く。斜め向かいの書店のライマールにも写本などしばらくできない旨も伝えている。
「まだ店を開いていなくて良かったと思って良いのかな」
「そうね。でも、そんな呑気なことは言っていられないわね」
「みんなまで危ないところに行かなくても良かったのに」
「ユリの仲間はシミだけじゃないのよ。私たちが一緒に行きたいのよ」
ヨルクは親戚、シミリートは槍道場など各自が縁のあるところにもしばらく留守にする旨を伝えるが、クロリスほど事情通ではないため詳細は伝えていない。
その後、クロリスの紹介の従魔屋に来ている。
「確かに、シャドウ達のホーみたいに立派な体格の馬だな」
「戦争ということで、騎士団の方達が全て購入されて行きましたので、今朝仕入れて来たこちらの2頭だけが販売可能になります」
「じゃあ、何かのときのために戦力になるユリとシミがその2頭だな」
今回は、現場への早期到着を重視して、馬車移動はしないらしい。そのため、“選ばれた盟友”の6人も騎乗で移動するのだが馬は3頭しか居ない。二人乗りでは期待の速度は出せない。
せっかく追加購入するならば、とクロリスが戦馬バトルホースを扱っている従魔屋を紹介してくれたのである。
その従魔屋の紹介で普通の馬も1頭調達して、ようやく全員が騎乗できる準備ができた。
戦馬はユリアンネ用が雌のゼラ、シミリート用の雄がライオと名付ける。ちなみに、今までの普通の馬3頭と今回の1頭はいずれも雄でライズ、サンド、ハンク、ゾーンである。
ヨルクの意見で、屋台でたくさんの食料も購入して魔法の袋に収納していく。
魔法袋を自前で所持していなかったヨルク、カミラ、ゾフィに貸すために一辺が1mの立方体ほどの大きさのものをユリアンネが購入していたのである。現地でそれぞれがポーションをたくさん使用できるようにするためである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます