第324話 ドロテア3
ドロテアはユリアンネに各属性の魔導書を見せられて戸惑っている。
「まずは読んでみて。その後にそれぞれの触媒を使ってテストしてみるからね」
「はい……あ!お礼では無いですが、こちらをご覧ください」
ドロテアの荷物は、とらえたときにも確認しないままモンタール王国軍に提出したのと、戦争奴隷として引き渡されるときにもそのままドロテア本人に渡していた。
そのため彼女が荷物から魔導書を取り出して来たことに驚く。
「あ、荷物をご確認いただいていなかったのでしょうか。これで全てになります」
ドロテアがテーブルの上に並べていくので、それぞれを≪簡易鑑定≫で確認してみるが、特にめぼしいものは無かった。彼女の装備が短い杖のワンドであり、特殊効果ありはそのワンドだけであり、その他のダガーを含めて中級品以下ばかりであった。
「ありがとう。これからはこっちも持っておいてね。その魔法の袋にしまって」
傷回復ポーションと魔力回復ポーションを渡し、村々に治療にまわっているのが今の業務であり、そこでドロテアと敵対したという経緯も説明する。
「それで、こちらの魔導書ですが……」
どうも魔術師団員であった老女から貰ったものらしく、使い魔について記述されたものであった。
「使い魔は、今の使用可能な属性に依存しないのと、1人の寂しさがなくなると、独り身だった彼女が……」
老女が亡くなってから身寄りもなく、その使い魔も習得できずに1人で寂しかったのであろうと気づいたユリアンネ。
「これからは仲間がいるからね。私もこの使い魔を練習してみるわ。もし覚えられたら、他の魔法のようにテアにも教えてあげるからね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます