第325話 使い魔

 ドロテアに借りた、使い魔の魔導書を読みふけるユリアンネ。

 火風水土光闇のどの属性とも違うため無属性と推測していたが、読み続けるともっと幅の広いものであった。



 そもそも魔法とは、自身の魔力をそのまま発動に活用する、今のユリアンネが使用している≪火炎≫などと、霊的な存在である他者の力を借りるものがある。

 フェザーたちが使用していた、主に精霊界にいる精霊から借りる精霊魔法、神界にいる神や天使から借りる神霊魔法、魔界にいる悪魔から借りる悪魔魔法などである。これら霊的な存在は召喚などによって人界にて力を現す。この霊的な存在も、広義の使い魔であると書かれている。


 また、胸、心臓付近に魔石を持つ魔物を従える、従魔というものが存在している。テイマーと言われる職業的な人以外が従える場合には、従魔契約などを用いている。これは契約魔法の一種であり、ユリアンネたちにも戦馬バトルホースという従魔がいる。

 この従魔は、普通に使い魔と呼ぶ場合にはそれなりの比率をしめると思われる。

 奴隷契約も人間の胸に魔石を組み込んで従わせるものであり、広い定義ではここに入るのかも、と思うユリアンネ。



 そしてここからが、ユリアンネの興味が出てくる、一般の鳥獣を使い魔にする話と、胸に魔石を持たない魔物ではない魔法で生み出した人工的な生物を使役する話である。

 前世記憶のイメージがあるのは、三角帽子(とんがり帽子)と空飛ぶ箒の魔女に似合う黒猫やカラスであり、化学者っぽい人物が錬金術などでビーカーや試験管のようなもので製造するのが人造人間のホムンクルスである。


 ニキアス副官はハイオークキングのときに、使い魔の鳥が見ていた映像を確認することができていたようであり、もしそれを習得すると斥候役の居ない“選ばれた盟友”ではかなり重宝すると思われる。

 今なら特に村に入る前に、敵兵が居るかの状況確認ができるからである。

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