第495話 賭場への踏み込み2
衛兵たちが建物の中に警戒しながら進んでいったところで、物陰からいくつもの矢が飛んでくる。衛兵たちも警戒していたのである程度は回避、もしくは盾で弾いているが、一部は手足に刺さってしまう。
「野郎ども、この拠点はもう廃棄しかない。遠慮なくやっちまえ!」
「衛兵なんぞ、怖くねぇぞ。こちらは魔物相手もしているんだ!」
引き続き手元にあるだけの矢を放った後は、手にしたブロードソードやショートソードなどを振りかざして次々と衛兵に突撃をしてくる。
正面扉がなくなり大きく開いたところから何人かの魔術師団員とドロテアも中に入っており、彼らから攻撃魔法が飛んでいく。通常の建物と違い2階か3階建てほどの高さのある大きな空間であり、火魔法も遠慮なく発動している。
各所の扉を燃やした火が類焼している箇所はほとんど無いようである。
「何を言っているんだ。トリアンにいて魔物を相手したことない奴が衛兵をしていると思うのか?」
「衛兵は対人戦闘の専門家だぞ。舐めるなよ」
先のならず者たちの発言に、衛兵たちも張り合って言葉を返すだけでなく、突撃してきた相手を槍などで叩きのめしていく。
「そこまでにして貰おうか。まさか賭博していた程度の一般住民を見殺しにする衛兵さんではないよな?」
両手をあげてしゃがんでいたはずの一般客と思われた男たちの一部が、本当の客と思われる男の首筋にダガーを押し当てて人質にしている。
「はぁ、困った奴らだ。こんな違法の賭博場に来て、さらに俺たちの業務を邪魔してくれるとは……まぁ戦闘に巻き込まれて死んだってことにしておこうか」
セレスランが脅しに屈しない体(てい)の言葉を返すので、客たちからは
「勘弁してくれ」
「俺たちが悪かった」
との声があがるが、人質をとった男も困惑の表情になる。
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