第410話 フスハレからの再出発2

「今度はこの森でハイオークを平均して1人1体以上は確保するように。美味しい豚肉はいくらあっても困らないからな」

 森に入ると、ニキアスがあらためて団員たちに指示をしている。Eランクの角兎の後に、Cランクのハイオークなのは心配であるが、この後にはBランクのハイオークファイターや地龍(ドレイク)、そしてAランクの飛龍(ワイバーン)に対峙することを踏まえると、これくらいで自信を取り戻して貰う必要がある。


 ここではシミリートたちも街道を大きく離れないように、魔術師団員たちを護衛しながら進む。この辺りに来ると冒険者たちも魔物の間引きを行っているので、奪い合いにならないように団員たちには競合するとすぐに引くように指示が飛んでいる。騎士団員たちが以前に冒険者の恨みを買っていたことを反面教師にしているのである。


 魔術師団員は必ずしも全員が、Cランク魔物を1体1で倒せる銅級相当以上ではない。騎乗できることだけを優先して来たのでなおさらである。そのためCランクのハイオークを全員が1人で倒せるわけでないが、仲間が互いにフォローしあって対応している。

「少しはマシになって来たかな」

「はい、不要な萎縮は無くなってきたようです。怪我してもユリアンネさんたちが治療してくれる安心感もあるのかと」

 中隊長フェルバーと副官ニキアスが安堵の会話をしている。


 ここでは護衛しながらであるので、“選ばれた盟友”の7人は1人1体のハイオークとまではいかないが適当な量は確保して魔法の袋に収納している。

「皆さん、そろそろ森を抜けますよ!前回はここで上位ハイオークとの戦闘になりましたよね。お気をつけください!」

「え、シミリート。ここで冒険者の皆さんと合流だよね?」

「そうだけど、念のために、ね」

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