第397話 不死者ダンジョン

 ニキアスのところを早々に去り、再び冒険者ギルドに戻ってきたシミリートとユリアンネ。

 ニキアスの指示通りギルド職員経由でニキアスからの紙をシグランに見て貰うと、頷かれたので満足する金額が提示されていたのだと思われる。



 だいたい予定していたことができたことから、別件で冒険者ギルドの職員に情報を確認するシミリート。対価を払ったその結果を個室で皆と相談する。

「残った日数で魔の森の探索をしないか?一応、その残り時間で往復できそうなダンジョンの情報は貰ってきた」

「ルードルフの街近くでの巨大蜂(ジャイアントビー)のときは確かに中途半端だったけれど、王都近くでも肩すかしだったわよね。どちらも森の入口近くのダンジョンだったし」

「で、これがそのダンジョンの情報?不死者ダンジョンって、アンデッド?」

「まさか、この前のヴァンパイアの親玉、始祖とやらが居ないわよね?」

「こんな街に近い3階層程度のダンジョンにSランク魔物が居たらびっくりだよ」

「そうよね……」

「アンデッドだと食べられる肉が取れないじゃないか……」

「そう、お肉のストックがたくさんあって、すぐ後にも入手できる今でないとヨルクがアンデッドダンジョンなんて許してくれないだろう?」

「どうだ!って変な顔をしなくても良いわよ。まぁ仲間だけでのダンジョンアタックも久しぶりだし、テアは初めてよね。難しくないところで連携を練習するのは良いんじゃない?」


 反対意見も無くなったところで出発が決定する。宿には荷物を取りに少し戻るだけである。山脈への出発日を踏まえると、昨夜も野営だったことはお構いなしに強行することになった。

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