第128話 コルバック散策2
一方、女性陣は商店街を歩いていたところを、数人の男にナンパされていた。
「おーい、彼女達ー。この街の子じゃないよね?俺の親父はこの街の冒険者ギルドの顔役だから、この街の冒険者のことはたいてい分かるんだよね」
「それはすごいですねェー」
「そうなんですー、私達、この街ははじめてでェー」
先日一緒になった女性の先輩冒険者ランセリアに教えて貰った男性のあしらい方で適当に対応してみるカミラとゾフィだが、そんな対応でもそのボンボンは調子に乗っているようである。
「君たち二人は見どころがあるね。でも、そのローブとマスクで顔を隠している子、いくら醜女でもダメだよ、そんな暗い対応じゃ。結婚相手も居なくて冒険者になったんだろうけど、女は愛想が良くないと。珍しい魔法使いでもチヤホヤして貰えないよぉー」
「!」
前世記憶でのいわゆるセクシャルハラスメント、セクハラと言うものがこの世界でも普通にあるのだと思うユリアンネだが、カミラ達の頑張りを無にできないため、黙っている。
「あーあ、せっかくアドバイスしているのに、ダメだねぇ」
「この子、人見知りが激しくてェー。ごめんなさいねェー」
宿屋の場所まで聞かれたり、夜の飲みまで誘われたりしだしたが、上手くあしらって適当に人混みに紛れたふりで逃げ帰る。
「カミラもゾフィもすごいわね」
「まぁねぇ。ユリほど美人でもないから、愛想は良くならないとね。って、冗談よ!」
宿で互いの行動の情報共有を行なった“選ばれた盟友”であるが、
「どうせ買い食いばかりしていたんでしょ?」
と女性陣に言われ否定できない男性陣。
「そういうお前達は何をしていたんだよ」
「え!?えぇ、私たちはちゃんといろんな店を視察してメモにまとめていたわよ。ねぇ?」
「え、えぇ。ほら見てよ」
「なんか怪しいなぁ。俺たちもほら、ちゃんとメモはとっているぞ」
「あら、頑張っているじゃない。じゃあ、この宿のおすすめでも食べましょうか」
微妙な空気だが、余計なことは言わずに食事を済ませて、各々部屋で自分の鍛錬や、ユリアンネは調合などをして夜を明かす。
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