第391話 使い魔の儀式魔法
ユリアンネはセルヴ大森林の奥、少しひらけたところで地面を均している。
土魔法≪土壁≫の応用で地面を操作し、平らにしているのである。
「すごいわね。土魔法があれば畑仕事も楽になりそうね」
「実際に活用している人もいるんでしょうね」
ユリアンネも今まで地面に大きな魔法陣を描いたことはない。そこで、いったん魔力でシンプルな円を作りそれを基準に仲間にも手伝ってもらいながら地面に目印を作ることで、大きな綺麗な円を作りあげる。同様に四角や直線なども描いていき、最後に中心部、魔銀(ミスリル)を設置する場所も描きあげる。
「さぁこれで完成ね。みんな手伝ってくれてありがとう」
「ユリも魔力を回復させて夜に備えないとな」
「俺たちは引き続き、入って来ようとする魔物退治をしておくよ」
「その前に飯だろう、メ・シ!」
「分かっているよ」
せっかく描いた魔法陣を消さないようにひらけた場所でも端の方で焼いた肉を皆で食べる。まだまだ上位ハイオークやワイバーンの肉は残っているので、そのシンプルな調理であっても贅沢な食事である。
その後、夜に備えて見張り番も交代しながら深夜を待つ。
「ユリ、そろそろだろう?丸い月が真上に来そうだぞ」
「ん……ありがとう。そうね。準備をするわ」
魔法陣の真ん中に進み、魔銀(ミスリル)の塊をおき、そこに飛龍(ワイバーン)の血の瓶を並べる。そして魔導書に書かれていた詠唱呪文を唱えながら魔法陣の中心部に魔力を込める。
すると唱え出したときから、地面に書かれた魔法陣が白く光りだんだんと浮き上がる。そして呪文が進むにつれて中心部の方がさらに白く光りだす。
呪文を唱え終わるタイミングで、ユリアンネは自身の残る魔力を絞り出すように魔法陣の中心部に向けて魔法の杖(スタッフ)を差し出す。さらに強く白く光った後に静寂が訪れる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます