第508話 再度の大捕物3
“闇ギルド”の屋敷に踏み込んだところで、牙虎(サーベルタイガー)が10体、庭に放たれてしまう。
「従魔ってところか。随分と金を持っているんだな」
「しかし、所詮はCランク魔物」
冒険者でもCランク相当の銅級はベテランと言われ、その級で一生を終わることも珍しくない。ただそのCランクが10体程度であれば、今回の捕物への参加者である衛兵団員や王国魔術師団員の人数から考えると手強い敵では全くない。
「一般人との揉めごとや裏世界の者同士の抗争程度ならば有効かもしれないが、な」
衛兵たちの槍さばき、魔法使いたちの攻撃魔法により次々と倒れていくサーベルタイガー。
東門の男4人も次々と衛兵たちに倒されていく。
「くそ!ならばこれで!」
再び笛の音が、今度は短いのが何度か続く。時間が経って、同じく建物の地下から登って来たのはBランク魔物の地龍(ドレイク)であった。
「えー、もうドレイクは良いよ」
衛兵たちにはなかなか見ることがない魔物に対して動揺が走っていたが、魔術師団員たちは明らかに飽きている感じで対処を行なっていく。最終的に5体のドレイクが出て来たようであるが、それぞれが≪土壁≫≪氷壁≫で早々に動きを封じられ、その上から≪氷槍≫や≪氷結≫などの集中攻撃を受けて倒れていく。
その段階では東門の男も全員が捕縛されている。
「もうおしまいかな?」
「はい、何かが建物の外に出ている気配はありません」
ユリアンネが使い魔シルヴィスの目線で屋敷の建物周りを確認した結果をマンファンに伝える。
「では、建物内の捜索に移る。衛兵たちは魔法使いの皆さんの安全を確保しながら進むように!」
建物の周りに集まって、全員に直接の声が届くようになったマンファンの指示で、建物内に突入していく。
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