第400話 不死者ダンジョン進行

 不死者ダンジョンの地下2階を進む一行。地下1階は洞窟タイプであったが、地下2階は石が積まれた通路タイプである。

「ごめんなさい……」

「まぁ慣れるまでは仕方ないわよね」

 地下1階で遭遇したスケルトンは、死体とはいえ肉はなくて骨だけであったので、慣れないドロテアも怖さだけであった。しかしこの地下2階で遭遇するのはDランク魔物のゾンビ、腐敗した肉がついている死体であり臭いもきつい。慣れていないと嘔吐してしまう。


「ユリ、遠目に見つけたときからどんどん燃やしてくれ。テアもできる範囲で良いから頼むな」

「わかったわ。でも、一応地下2階にゾンビが出るのは情報通りなのは良かったのかしら」

「どうせならそこは情報通りでない方が、鼻が曲がらなくて良かったのだがな」


 その期待通りというべきか、地下2階でもその先に進むと今度はCランク魔物のマミーに遭遇する。

「臭いはないのが助かるが、この包帯野郎はしぶといな」

「乾燥しているからゾンビよりも効果あるはずよね。ちょっと待って」

 ユリアンネとドロテアが火魔法≪火槍≫や≪火炎≫を使用すると、やはり弱点であったようで効果が高いようである。


 シミリートとユリアンネは銀級冒険者でありBランク相当ではあるが、ジーモントたちはまだ鉄級冒険者でありDランク相当であるので、Cランクであるマミーには少し手間取る。

 カミラが王都で購入したショートソードは氷をまとう魔剣であったので、少しは多めにダメージを与えているようである。

「だけど、炎のショートソードの方が効果が高かったはずよね。残念だわ」

「そうは言っても、モンヴァルト山脈の地龍(ドレイク)や飛龍(ワイバーン)が炎のブレスだから氷が良いって選んだんだよな」

「そうよね。両方買えるぐらいお金があれば良かったのだけど」

「そんなことを言って。水属性、火属性の次は風属性って欲しくなるだけだろう?」

「う……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る