第380話 ドレイクの集団3
カミラの怪我により少しだけ引いた感覚を持てていた“選ばれた盟友”は、もともと西の端の方にいたこともあり、集団パニックには巻き込まれていない。
「ゾフィ、こっちよ」
峠道であり両側はさらに高い山になるのだが、その道の端に寄り集まった7人。
「このままゆっくり西側へ後退すれば大丈夫だぞ」
シミリートが音頭をとり移動を開始する。落ち着いて馬で移動すれば、足の遅い地龍(ドレイク)に追いつかれることは無い。気をつける必要があるのは、飛龍(ワイバーン)である。ただワイバーンたちは金属装備でガチャガチャと音を立てている騎士団員の集団の方に集中しているようである。
「助けてくれー」
馬がやられて逃げ遅れたと思われる魔術師団員たちが、まだ戦場に残っており、シミリートが戦馬ライオと共に助けに行く。それを見たジーモントも、ドロテア用の戦馬ペルルを借りて助けに行く。ユリアンネは戦馬ゼラの足を活かして前に進み、シミリートやジーモントが助けようとしている人の近くのドレイクに≪氷槍≫を打ち込んで注意をそらさせる。
助け出した団員をドロテアたちに預けて治療を受けさせては、別の団員を助けに往復するシミリートたち。
しかし、魔術師団員たちは西側から攻め入ったところでありまだ何とか助けに行けたが、奥の方で落馬した騎士団員たちまでは手がまわらない。
一方、集団で逃げ出せていた騎士団員の中でも遅れていた一人がワイバーンの足に引っ掛けられて落馬したようである。
「うわー、助けてくれ!」
落馬したところへ再度舞い戻ったワイバーンがブレスをかけようとしている。
ユリアンネはとっさに≪氷槍≫複数を発動させてワイバーンの気をそらさせるが、今度はその怒りの矛先が自身に向かう。
「ユリ、危ない!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます