姉との昼ご飯

ガラガラ

「鈴さん…います?」

「うんこっちだよ」


昼休み孝介の携帯に鈴からメールが届いており、そのメールに指定された空き教室に来ると姉さんが一人椅子に座っていた。


「鈴さん、どうしたんですか

 こんな空き教室に呼び出して」


「一緒にお昼ご飯食べようと思って…」


そう言って、お弁当をチラリとこちらに見せる。


「あっそう言う事?

 あっでも、俺今からパンを買ってこないと」


「あっ大丈夫、

 こうくんの分も作ってるから、

 ほら座って?」


「えっうんありがとう」

孝介は、鈴の前に置いてあるお弁当より

ひと回り大きいお弁当を受け取り椅子に座る。


「さぁ開けてみて?」


姉さんに促されるままにお弁当の蓋を開けるとそこには、

色とりどりの美味しそうなおかずの入った

お弁当がそこにはあった。


「どう?本当は、もうちょっと手の込んでいた物を作りたかったんだけど…」


「えっ?いやいやいや凄い立派なお弁当だよ

 それに、いつ作ったのこのお弁当、

 俺の傷を隠すメイクもしてくれてたのに」

 

確か俺が起こされたのは、

いつもよりだいぶ朝早かった。

…つまり、姉さんはそれ以上前に、

起きてお弁当を作っていたと言う事だ。


「うん?昨日のうちに下準備はしておいたから、そんなに時間はかかって無いよ

 それよりほら、食べて食べて」


本当かな〜?

少し姉さんの言葉に疑いを持ちながら、

おかずを一口食べた。


「どうかな?」


「うん、やっぱり鈴さんの料理は、

 美味しいよ」


「そう…よかった。

 あっこっちの卵焼きも食べてみて、

 いつもと違ってだし巻き卵にしてみたの」


「へぇ〜…うまっ!

 姉さんこれとてつもなくうまいよ!!」


「フフ、よかった

 …でも、こうくん私のことは?」


「…あっ鈴…さん」



「フフ…よろしい」

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