光の聖女④
「なんでシスターがその事を
知ってるんだ!!
…って顔ね」
「なっなんで...?」
「なんでって、私だって、
だてに何人もの人たちの
相談受けてないのよ
それに、孝介くん…わかりやすいもの」
(俺って、そんなにわかりやすいのか...)
シスターの言葉で落ち込んでしまう。
「まぁそれも、
考え方を変えたら孝介くんのいい所だし
あんまり気にしなくていいわよ
…それより、どうするの?」
「どうするのって」
「このまま、日菜ちゃんと
気まずいまま過ごす?」
「いや…です。日菜姉と気まずいままなんて」
「なんで…?」
「なんでって、日菜姉は、
俺にとって…大切な人だから」
シスターの目をしっかりと見て話す
シスターは、フと笑い。
「じゃ仲直りしましょ」
と笑顔で手を叩いたのち
立ち上がりドアにむかう。
「えっいや、そんな簡単に」
「簡単よ話し合えばいいのよ」
ガラララ
「ねっ?そう思うでしょう
……日菜ちゃん?」
・
・
・
「「………」」
(気まずい…
…シスター!!どこ行ったの!?)
現在この部屋には、
孝介と日菜の二人のみだった。
シスターは、ドアに立っていた日菜姉を
中に引き入れ
『それでは、あとは若いもんで…フフ』
と言ってこの場を去っていった。
「……こうちゃん」
「!?…なっ何?」
「ごめんね、朝、本当は
三人でくる予定で待ち合わせしてたのに」
そう言って日菜姉は、頭を下げる。
「…いや、そもそもの原因は、
俺だから…こっちこそごめん!!」
孝介も、頭を下げる。
「いや私が気まずくて避けたから」
「いや俺が…」
「いいえ私が」
二人は、お互いに謝り続ける。
それを数分続けていると
「………ニヒ」
「………ハハ」
どちらが最初に笑ったかわからないが
それをきっかけに
二人は、笑い合った。
「…ニヒヒ終わらないね」
「うんそうだね」
「…仲直りしよっか?」
「うん」
「…フゥ…それじゃ…ギュ〜〜」
日菜姉がこちらに近づけ抱きしめてきた。
「へっ!!日菜姉!?」
孝介は、咄嗟に抱きしめてる
日菜姉の顔を見ようとするが、
「見ちゃ…ダメ」
と余計に強く抱きしめられ顔が見えない。
「日菜姉…」
「…何?ちっちゃい頃は、
これが仲直りの仕方だったじゃん」
「そうだったけど、
俺たちもう高校生だよ
…日菜姉」
「いいじゃん…高校生でも…」
「ダメだよ、もう俺たちは、
子供じゃ無いだから」
「…大人でも抱きしめ合うじゃん」
「いや、恋人同士とかならわかるけど
姉…いや幼馴染の女の子とは…
その…ないでしょう」
「え……今」
日菜姉が腕の力を緩めこちらを見る、
日菜姉の顔は、
至近距離で真っ赤に染まっている。
「……うん……こうちゃん」
「ひ…な…姉…何?」
いつもとは、違う日菜姉の顔にドキドキする。
「ねぇ…ならこうちゃん私と、
こいっ!」
トントンとドアがノックされる。
「「!!」」
「日菜、孝介ここに、いると聞いたが」
ドアの外から雪弘先輩の声が聞こえてきた。
「雪弘くん?こうちゃんと一緒に
いるよ〜」
日菜姉は、孝介から離れ
ぱっぱと少し乱れた自分の服を整えた。
「そうか、そろそろ礼拝堂の方に来てくれ」
「わかったすぐ行くね」
その返事を聞いた雪弘は、
先に行くと言って去っていった。
「ふぅ…びっくりしたねこうちゃん?」
日菜姉は、恥ずかしそうにこちらに振り向く
「うん…それで日菜姉
今さっき何を言お「さぁーて!!」」
日菜姉が言葉を遮る。
「行こっかこうちゃん、
私、発表頑張るからね!!」
そう話題をそらしながら孝介の手を取る。
「えっああ頑張って」
(日菜姉…何を言おうとしてたんだろう)
二人は、手を繋ぎながら礼拝堂へ向かった。
「こうちゃんお姉ちゃんじゃなくて...
一人の女の子として見てくれて、
…ありがとう」
彼女が呟いた言葉は、孝介の耳には入らず
消えていった。
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