約束

「でもね…その…ね

 告白の返事は欲しい…な?」


「…返事」

(返事…か…、そうだよな返事…しないと)

孝介は、決意を決め心の中にある答えを伝える為に深呼吸をしてから、

心を落ち着かせて日菜姉を告げる。


「わかったよ…日菜姉」


ビクッ!と孝介の言葉を聞いて、

日菜は、体を震わせる。


「返事は、返さないといけないからね

 …その告白してくれてありがとう日菜姉」


孝介は、頭の中で考えながら喋る。

「俺は「やめて!!」」


生徒会室に日菜の声が響き渡る。


「…あっ…いや違う…違うの

 そっそう、今じゃないと思うの」


日菜姉は、声を震わせながら、

言葉を続ける。


「ほっほら、今の雰囲気だと

 冷静な判断できないと思うし、

 それに…そんなふうに

 してほしくないかなって」


「…ごめん」

何か日菜姉の気に触ってしまったらしい。


「あっいや謝って欲しいんじゃなくて、

 その…後日こうちゃんの時間を頂戴

 …ほら今週の木曜日、

 学校が休みじゃない?」


「…うん」

確かに今週の木曜日は、

学校の都合で休日になっていた。

つまり、その日に告白の返事を聞きたいと言う事だろうか?


「なら、その日を私にくれないかな?

 その後…返事をくれると嬉しい…」


日菜姉は、すがる様にこちらを見つめてくる。

「えっ…と」


「お願い、こうちゃん」


その瞳に押されて孝介は、

うんとしか返事ができなかった。






「…ありがとう…こうちゃん」

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