怖い…姉
「ただいま」
孝介が学校から帰宅して、
靴を脱いでるとパタパタとキッチンから、
包丁を持ったまま姉さんが玄関に来た。
「お帰りこうくん
…帰るの遅かったねどうしたの?」
「いや、特に「嘘」…ちょっと用事があって」
誤魔化そうとしたが…
包丁待ちながら色素の抜けた目で
こちらを見る姉さんが怖く無理だった。
「そう…でも用事がある時は、
連絡をしてほしいな?心配だから」
「…うん、ごめ」
「特に…女と会う時は…ね?」
「!!、…なんで」
姉さんは、少し考えた後に
人差し指を唇につけ
「…秘密」と呟いて、
キッチンに戻っていった。
ご飯とお風呂も済ませた後、
姉さんと寝るまでの間
リビングでゴロゴロしていたが
突然姉さんから、
「…それで、日菜と何を話したの?」
と質問された。
「ッ!?ゴホッゴホッ」
「大丈夫?はいお水」
動揺して、咳き込んだ孝介に対して、
鈴は、水を渡す。
「フゥ…ありがとう」
「うんよかった、それで…?」
「…その前になんで日菜姉と会った事を
知ってるの?」
「うーん…日菜と同じクラスだから?」
姉さんは、そう言ってニコリと笑った。
どうやら姉さんは、
本当の事を言うつもりがない様だ
…まぁ里紗や秀助とかも知ってるし、
もしかしたら、日菜姉が伝えたのかもしれない。
「ごめん話の内容は言えない。」
「…なんで?
私にも言えないの?」
「…いやなんでも、鈴さんだからッ」
ハッとなり自分の口を抑える。
自分は、今何を言おうとしたのだろう…
「…フフそう、ならいいわ、
何か事情があるんでしょ?」
「うんごめん」
「謝らなくてもいいよ、
フフ、それより今週の木曜日どこ行く?」
「えっ木曜日?」
木曜日と言うと日菜姉と会う約束をした日だ。
「あれ?こうくんったら忘れたの?
木曜日はお休みだよ、
だからね、せっかくだから、
その日私とデートしよ♡」
「………」
「うん?、どうしたのこうくん黙っちゃって、
あっ!もしかして、外に出たくない?
それなら、お家でゴロゴロする?」
…どうしようまた新たな問題が出てきた。
いやここは、正直に言った方がいいだろう。
「ごめん鈴さん」
「うん?何が?」
「その日、用事があって一緒にいられない」
「………は?」
そう言った姉さんの顔は、
少し…いやだいぶ怖かった…
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