夢を見るもの、覚めるもの
「綺麗だね...」
「そうね...雲もないし晴れて良かったわね」
「うん」
孝介と鈴は、肩を寄せ合い空を見上げる。
二人が見上げる夜空は、
雲ひとつない満点の星空だった。
「えっとあれが夏の......なんだっけ?」
「フフ、大三角形よ」
「そうだ、大三角形だったね」
意気揚々と指を指して、
言おうとしていた孝介は、
恥ずかしくなり、頬を赤らめ頬をかく
「フフフ、そんな事もあるわよ
気にしないで、
ほら天の川が見れるわよ」
言われた方を見ると
天の川銀河の星達が、
キラキラと光輝いていた。
それを見た孝介は、
「...懐かしい」と呟いた。
「懐かしい?」
「うん、姉さんは、覚えてない?
子供の頃、星を見たよね」
「子供の頃?
...あぁ、あの時ね
こうくんは、あの時も私に
毛布を持ってきてくれたね」
そう言って、姉さんは毛布を
ギュッと握りしめた。
「あぁ思い出してきたわ
フフ...」
「?、どうしたの」
「いえ......それ!」
「ちょっ!姉さん!!」
姉さんが突然毛布を広げ抱きついてきた!
「いえ、あの時二人、
一つの毛布にくるまっていたでしょ」
「そっそうだけどさ...」
孝介は、恥ずかしさから逃れようとするが
結局諦め一緒に、一つの毛布にくるまる。
「...あったかいね」
「うん、そうだねあったかい...」
そう言って、孝介は隣を見る。
そこで見た、星の光に照らされた
姉さんの横顔は......綺麗だ
「?、何かいっ」
「あっ!おーいそこの!
そろそろ集合の時間よー!!」
と後ろから引率の先生の声が聞こえた。
「あっはーい、今行きます!!」
孝介は返事を返して、
鈴と一緒に片付けを始める。
「そういえばあと少しで、夏休み終わるね」
「ええそうねこうくんは、
後の休みは、どう過ごす予定なの?」
「うーん、バイトざんまいだけど
...あっ!でも花火は、見たいかな」
「花火?どうして?」
姉さんは、首を傾げる。
(あっ姉さん忘れてるんだ)
「ほら、今さっき話した
星見た日の事」
「えっ?星見た日って、子供の時の事よね?」
「そうあの時、
星空と一緒に花火を見たよね」
「花火.........を?」
「ハハ、姉さん忘れてるんだ
ほら、この教会で二人で見たじゃない?
あっ!そうだなんか見覚えがあるなって、
思っていたけどさっき星見ていた所
子供の頃、一緒に見た所だ」
ハハッこんな偶然があるんだねと
姉さんに語りかけるが、
姉さんは、何処か困惑としているようだった。
「えっ...あの...」
「おーい、何してるんだー?
もう終わるから、早く集まりなさい!」
「あっ先生呼んでるね、
姉さん行こう!!」
「う...うん」
そう言って、二人は集合場所に向かっていった。
「......花火...教会?
こうくんは、何を言ってるの?」
意外と短くならなかった(汗)
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