夢見る星空 ④

ガチャ

「ふぅ日菜姉達は、買い物行ったし

 少し休も…う?」


「お疲れ様、こうくん」


孝介が、休憩しようと荷物を置いた部屋に

入るとそこには、姉さんが座っていて

笑顔で孝介を迎えていた。


「姉さん?あれ?天文部の人達と

 買い出しに行ったはずじゃ?」


「フフ私は、行かなかったの

 行く必要も無いしね」


孝介は、鈴に促されるまま椅子に座る。


「行く必要がないって...」


「こうくんも…そうでしょう

 それよりも、一人?

 雪弘くんは?」


「先輩は、

 シスターと天文部の顧問に

 呼ばれて行きましたよ」


「確かに雪弘くんは、

 両方の事がわかってるから一番適任ね」


「…それじゃ、

 今から少しの間二人っきりと言うことね」


「うんそう言う事ですね」


「それじゃ、少しお腹に入れない?」


姉さんは、ニコリと笑って

荷物からお弁当箱を取り出す。


「夕ご飯、いつもより少なめにしてたから、

 お腹空くかなと思ったんだけど」


確かに、ちょっと空腹を覚えている。

その事を姉さんに伝えると

姉さんは、すぐに飲み物なども準備してくれた。


「それじゃ食べましょうか?

 今日は、サンドイッチを作ってきたの」


そう言って、弁当箱の蓋を開けると

サンドイッチ綺麗に詰め込まれていた。


「じゃ頂きま…す?」


孝介は、頂こうと手を伸ばすが、

それを制して、

姉さんは、サンドイッチを取って

こちらに差し出して来た。


「はいこうくん、あ〜ん」



差し出された孝介は、

サンドイッチを抵抗せずに口にいれる。


「もぐもぐ、うん美味しい

 ……?どうしたの姉さん」


姉さんは、どこか困惑した顔をしていた。


「えっ…いや、

 こうくんが恥ずかしがらずに食べたから」


「あぁ……そう言う事、

 それは、恥ずかしがったら、

 姉さん喜ぶでしょ、…だから」


孝介は、そこでニヤッと笑い


「恥ずかしがらずに食べてみたの、

 まぁそのおかげで、

 姉さんの珍しい顔が見れたから

 やった甲斐があったかな?」


姉さんは、少しの間ポカンとしていたが

はっと気づいたのだろう、

顔を真っ赤にして、


「こっこうくん///!!」


と恥ずかしながら怒っていた。



「ハハハ!!」


これで少しは、姉さんにやり返せたかな?

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