先輩とこうくん ①

「先輩具合どうですか」


寝室から出てから数時間

もう日が沈み始めた頃

先輩の様子を見に来ていた

その前から時々様子見に来ていたが

今もぐっすり眠れてるようだ


「よく眠っているな先輩、

 …よほど具合悪かったんだな」


実際、

先輩が実家に帰る時も少し元気がなかったので心配はしていた


「先輩、

 あまり家族と上手く行ってないのかな?

 ……ハハまぁ俺が言える立場にいないけど」


乾いた笑いが出てしまった


「さてお粥でも作っとくか」


再び寝室から出ようと先輩に背を向ける

「んっ」


やばっ

起こしちゃったかな


「ん…………


ドクンッ

ーごめんね

冷や汗が出る

ーまた会えるから

違う

そんなわけがない


ドン!!壁を叩く

「落ち着け…ハァ…フウ

 普通に考えて、そんなはずは無い

 ……まったくもう忘れたと思ってたのに」


「……孝介くん?」


振り返ると心配そうに見つめる先輩がいた

顔色は、よくなっているようだ


「先輩すいません、起こしちゃいましたか

 体調は、どうですか?」


「うん、寝たらだいぶ楽になったわ」


その言葉を聞いて胸を撫で下ろす


「ところでどうしたの、大きな音がしたのだけど」


「ハハ、躓いちゃって」


「そっそう?怪我はない?」


よかった気づかれなかったようだ


「はい、大丈夫です

 ところで先輩何か食べますか?」


「う〜ん、今はあんまり食欲ないかな」


「そうですか、

 一応お粥作っとくので食べたくなったら」


「食べたい」


「え?」


「急に食欲がでてきたわ」 


「そっそうですか、じゃ作ってきますね」


「うん、待ってる」


お粥を作りにキッチンに向かう









 

 












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