先輩とこうくん ②

数分後

「よしっ上手くできた」


火を止めお粥を皿に盛る

早速先輩に持っていこうとすると


「孝介くん、大丈夫?」


「先輩!?起き上がって大丈夫ですか」


「うん、体も軽くなったし」


「そうですか、あっお粥は」


「勿論食べるわ」


「では、お粥運びますので

 椅子に座ってといて下さい」


「うん」


先輩は、大人しくに向かい

孝介は、お粥を運ぶ


「じゃ頂きます」


先輩が、スプーンを取ろうとして

手を止める


「どうしました?」


「急に身体が重くなったわ、

 誰かに食べさせてもらわないと」


「先輩?」


鈴先輩がこちらをジーと見つめながら

スプーンをスーとこちらによせる


「…………ハァわかりました」


体調悪い先輩のお願いを断るのもと思い

スプーンを手に取りお粥をすくう

そして差し出そうとするが


「そのままじゃ、私やけどしちゃう

 ……わかるでしょ?」


先輩が悪い顔をしている


「先輩が………はいわかりました」


抵抗しても無駄だなと思い

お粥をフーフーする


「それじゃ、はいアーン」


自分が、差し出すと


「アーン」


先輩が目を閉じ口を開ける


ドキッ

ドキドキドキドキ

先輩が目の前で無防備な姿を見せている

…やっぱり綺麗


「どうしたの?」


不審に思った鈴先輩が目を開け

こちらの心情がわかったんだろう

ニヤリと笑った


ーなっ!…そっちがその気なら

「すいません見惚れてしまって

 ……はいどうぞ」


「……へっ///

 ムグッ」


鈴は、顔を真っ赤にしてそしゃくする


「もぐもぐ、孝介くんいつも

 そんな事言ってるの?」


「先輩だけですよ」


「っ!スプーン返して」


先輩が頬を膨らませる


「はいどうぞ」


「んっ、君って意地悪だったのね」


「先輩がからかってきたお返しですよ」


「……まったくたら」


「…え」

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