孝介とお昼ご飯 ①
「やっと昼休みだ」
孝介は、重い身体を押して生徒会室に向かった
「たくっ、本当に大変だった」
孝介は、疲れた顔をしていた
朝の出来事以降、休み時間ごとに、
クラスメイトから尋問を受けていたが
鈴先輩とは、生徒会の繋がりがあるだけ
日菜姉とは、小学校からの付き合いで
家族が居なくなって一人になった時
助けてくれた恩人で繋がりがあると説明した
正直詳しく話しすぎたなと思ったが
そのおかげだろうか、クラスメイトは、
納得したようだった
ただ何故か、その後なぜか
生暖かい目で見られることにはなったが
「しかしこれどうするかな?」
手に持った袋を見た
その中には、サンドイッチからお菓子、
飲み物まで袋パンパンに入っていた
これは、孝介が教室から出る時
委員長から渡されたものだ
委員長曰く
「あの二人と食事をするのに、
木沢くんが、
その程度しか持って行かないなんて
そんな惨めな真似させないわ
我がクラスの恥よ!!
これは、クラス全体から集められた物よ
これだけあれば十分でしょう
持っていきなさい!!」
とおにぎり一個とお茶だけだった自分に
無理矢理渡された
…正直訳がわからないが助かる
「まぁとりあえず、ありがたく貰って
余ったらお菓子と飲み物は、
生徒会に差し入れみたいにして
後は、クラスメイトには、お礼に
お菓子でも買って配るか」
孝介は、そう言う気遣いは、できる男である
コンコン
「はーいどうぞ〜」
「失礼します」
孝介は、生徒会室に入った
そこには、日菜と鈴が既にいた
「すいません少し遅くなりました」
「大丈夫だよ〜私たちも今きたところだよ、
ね〜?」
「そう、だから気にしないで、
……所でその袋は?」
鈴先輩が袋の方を見る
「ああ…なんかクラスメイト達が
これ持っていけって渡されて」
日菜姉がこちらに来て袋の中を見る
「うわーいっぱいある、
こうちゃん、クラスメイトのみんなには、
ちゃんとお礼しなきゃね」
「うん、それで全部は、食べきれないから
お菓子とかは、生徒会に差し入れみたいに
したいんだけど」
「うん本当はこういう差し入れとかは
貰わない感じなんだけど
こうちゃんは、生徒会だから大丈夫」
「ニヒヒありがとね、放課後の生徒会が楽しみだよ」
日菜は、嬉しそうにしていたが
「あら日菜?、貴方今日は、
生徒会休むんじゃなかったっけ?」
「そうだった!!
えっじゃ私お菓子食べれないの?」
日菜姉は、肩を落として落ち込む
「まぁ、昼ご飯食べたらお菓子を分けるから
それを持って帰れば?」
「こうちゃんナイス考え!!
じゃさっそくお昼ご飯食べよう」
日菜に急かされる様に席に座り3人で
お昼ご飯を食べ始めた
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