孝介とお昼の約束
「なぁ孝介、お前に聞きたいことがあるんだが」
朝、突然親友の堀越秀助が真面目な顔で話しかけてきたというかクラス全体がどこかピリついていた
「なぁ…今学校中でとある噂が広まっているのを知っているか?」
「…噂?」
「あぁ、最近放課後な西宮鈴先輩が
男と帰っているって噂があるんだわ」
「……ちょっと、用事あるから」
(やばいどうする!!
…ひとまずここを逃げたほうがよさそうだ……何っ!!)
逃げ出そうと椅子から立ち上がり廊下に向かおうとするが
男の2人が立ちふさがっていた
「鈴木!田中!どう言うつもりだ」
「いや、人の話は最後まで聞くもんだろなぁ
そう思うよな田中」
「あーそうだなぁ鈴木」
「くっ!ならば!!」
と逆方向のベランダから出ようとするがそこには数人女子がいて立ちふさがった
「あの〜ごめんそこをどいてくれる?」
「いや〜ごめんね、
今ベランダ女子が占領してるんだ、
だからね木沢くんは、
堀越くんの話しちゃんと聞いてあげて」
(くっ、女子まで堀越の味方か)
改めて周りを見てみると
他のクラスメイトも逃げ出さないように
包囲していた
「いや!
お前らなんだよその連帯感
そんな感じのクラスじゃなかったろ」
「そうだ委員長!委員長はいるか!!」
呼ばれたからだろう
クラスメートの中から委員長が出てきた
「委員長!このクラスの委員長として
どうにかしてくれこの状況」
「…木沢くん」
「ああ!!」
「…私、嬉しいの」
「え?」
「だってクラスが今一つになってるんだよ」
(委員長あんたもかーー!!)
「諦めろ孝介、今ここにお前の味方はいない
だからまず座れ」
「くっ」
孝介は、しぶしぶ椅子に座った
「さて今の行動で大体分かったが
最近西宮先輩と帰っているのはお前だな」
「ああ」
「そうかそうか、
…テメー西宮先輩とどう言う関係だ!!」
「いや、ただの先輩後輩の関係だよ」
「ただの先輩後輩の関係であの西宮先輩と
一緒に帰れるものかよ!!」
周りもそうだそうだと声を出す
「ぐっ、いや秀助だって知ってるだろ
俺が生徒会に入った事」
「ああ」
「その関係で、すっじゃなくて西宮先輩と
帰る時間が同じになることが多くて
一緒に帰ってるんだ」
「ほうなるほど、だがわざわざ一緒
帰る必要があるか?」
「いやそっそれは、
西宮先輩を夜道で1人帰らせるわけにもいかないだろ」
「ぐっ、それはそうだ」
(よしっ!!秀介も他のクラスメイトも
納得しているようだこのままっ!!)
孝介がこのまま誤魔化し切ろうとした時
「ごめ〜ん、木沢孝介くんいる?」
ザッ
クラスメイト全員の視線が廊下側のドアに向かう
そこには、日菜姉が立っていた
「あっ、いたいたこうちゃ〜ん!
ごめんちょっときて」
ザワッ
ー鈴先輩だと!?
ー今、木沢くんのことを!!
ーこうちゃん?
(やっやばい!!)
孝介は、急いで日菜の元に向かう
「どっどうしたの」
「あのね、昼休みご飯一緒に食べよ」
「えっ、お昼ご飯?」
「うん、鈴ちゃんも一緒だから三人だね」
「えっと〜」
「……だめ?」
日菜姉が上目遣いでこちらを見つめてくる
「うっ……わかった」
「ありがとう、だったら後で場所は教えるね」
日菜姉は、言わると自分のクラスへと帰っていった
「ハァ、日菜姉はいつも強引だな
…って、はっ!!」
背中から強烈な視線を感じて
振り返ってみると
クラスメイトたちがジリジリと近づいてくる
ー会長からのご飯のお誘い
ーしかも三人で
ーこうちゃんよび
「なぁ、孝介」
「なっ何だ」
「じっくり話を聞かせてもらおうか!!」
「へっ、ちょっとまって…ぎゃー!!」
この厳しい尋問は、担任が来るまで続き
今回の事で急速にクラスがまとまったらしい
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