孝介と帰り道
「さてこうくん、そろそろ帰ろう」
それを聞いて時間を見ると
下校時間十分前だった
日も沈みかけ徐々に暗くなっていた
「えっ!もうこんな時間」
「フフ、こうくんと一緒に仕事してると
時間が進むのが早いね」
鈴が笑いかけてくる
「それはいい事なんですかね」
「いい事に決まってるわ、
時間も忘れるほど集中できたって事だし
君がサポートしてくれたおかげで
ほら、こんなに処理できた」
見ると書類の山が半分近くに減っていた
「……ちょっと頑張り過ぎちゃった」ボソッ
「えっ何ですか」
鈴先輩が何か言った様だが
孝介は、書類の束を片付けていたため
聞き取れなかった
帰り道【鈴視点】
あの後
書類など片付け生徒会室を出て
二人で帰るが、
こうくんが何か仕切りに周りを気にしている
「どうしたのこうくん?」
「えっ!、いや〜鈴さんと一緒に帰ってるの
男子に見つかったら
自分殺されるなぁ〜って」
「は?………安心して私がこうくんを守るから」
(誰が私のこうくんを殺すですって、
許さない許さない許さない!!
地の果てまで追い詰めて……!!)
「せっ先輩?
じょ冗談ですよやだな〜」
こうくんが少し怯えた様な顔をしている
「あっ…わかってるよ
でも、こうくん?
もし何かされたら言ってね?」
「……はい」
二人は、少し無言の時間を過ごした
(……せっかく二人で楽しく帰られると
思ったのに、変な空気になっちゃった)
鈴は、イライラしていた
(こうくんと一緒に帰るために
裏で手を回したのに!!)
鈴は、孝介と一緒に仕事して帰るために
内向きの資料整理などを積極的に自分に
外向きの仕事を日菜や雪弘そして一年の二人に回していた
特に面倒くさい案件は日菜に集中させた
「鈴さん……あのいつも、
あんな量の仕事があるんですか?」
「うん?生徒会の仕事嫌になった?」
「いや、これまで一人であの量していたのなら
鈴さんの身体が心配で」
(ああこうくんが
私の心配をしてくれてる)
「フフ、大丈夫いつもは、
分担してやってるから、
今回は、他のメンバーが会議とか
打ち合わせとかが重なったから、
代わりにしてあげてるの」
「そうなんですね」
こうくんがホッとしたようだった
「それに、そんなに忙しかったら
一緒にご飯食べれてないでしょ?」
「あっそうですね」
「と言う事でお腹空いたし早く帰ろう?」
こうくんの手を取る
「え!?」
こうくんが顔を真っ赤にする
(フフ可愛いな〜それに、……懐かしい)
結局、マンションに帰るまで
二人は、手を繋いでいた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます