その恋は、終わりを迎える。【日菜視点】
「それじゃまたね」
私は、鈴を見送る。
これから、鈴は、こうちゃんの所に帰るのだろう。
「ハハ…終わっちゃった…」
これで私がこうちゃんにしてあげれる事は、
もう無いだろう、
「…帰ろう…」
今日は、どこにも寄らず帰ろう
帰ってお風呂に入って、ご飯を食べる。
…あっ今日は、デザートも食べちゃおう、
いつもは、綺麗な姿をこうちゃんに見せたいから、我慢してたけど
もう我慢しなくてもいいんだから、
「…お姉ちゃん?」
「日菜?」
「あっ…里紗…お母さん」
家へ帰って来て玄関を開けると
そこには、お母さんと里紗が立っていた。
どうやら今からどこかに出かける様だった。
…あっ…だめ!…抑えてたものが溢れ出てくる。
「おっお姉ちゃんッどうしたの!?」
里紗が異変に気づきこちらに走ってくる。
「あっ…りっ…さ」
「なっ何で泣いてるの!?
今日は、孝介とデートだったんでしょ?
あっ孝介が酷いことしたんでしょ!!」
「ちっちがう…ちがうの」
どっどうしよう里紗に説明しようにも上手く言葉にできない。
「あぁ許せない!!
ちょっと孝介ぶん殴ってくる」
「あっりさ…グスッまって」
「ハァ…里紗落ち着きなさい
それと日菜はい涙を拭いて」
「お母さん!?だって!!」
「だってもへちまもないの
ちゃんと日菜の言葉を最後まで聞いてあげなさい」
お母さんが里紗を嗜める。
「あ…ごめんお姉ちゃん」
「うっううんいいの…あのね、
今日…こうちゃんとデートいって…ね」
「うん」
「告白したの」
「えっと孝介に?」
「…それ以外誰がいるの?
…それでね」
そこで里紗がことの次第に気づいたのだろう
気まずそうな顔をする。
「へへ…振られちゃった」
カバッと突然里紗に抱きしめられる。
「へっ里紗!?」
「ほんっ…と!!孝介のバカ!!
何でこんないい女振るのよ!!
目ん玉ついてるの!!」
「りっ里紗…?あんまり…そのこうちゃんの
…ことを…ね?」
「いい女すぎるよ〜!!
お姉ちゃん…泣いても文句言っても、
いいんだよ、
ここには、家族しかいないんだから」
「…でも」
ギュ…お母さんが私と里紗を優しく抱きしめる。
「…お母さん…」
「いいのよ日菜、
今は、大丈夫だから…ね?」
お母さんの言葉で抑えていた気持ちが噴き出して来た。
「うっ…うぅ、こうちゃん!!
何で何で私を選んでくれなかったの
あんなにも、一緒にいたのに…」
「よし…よし…いい子ね。
日菜今ここで全てここで流してしまいなさい」
「うわァァァーー!!」
私は、大声で泣く、
あぁ私の初恋は、これで終わったのだ。
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