隣にいるのは… ②
「ねっ姉さん?
…なんでパジャマなの?」
「?、夜遅いからだけど」
姉さんが不思議そうに首を傾げる。
「そっ…そう…」
あれ?俺がおかしいのか?
「あっもしかして、
このパジャマ似合ってない?
最近買ったんだけど…」
姉さんが猫のマークあしらってある、
パジャマをこちらに見せて来た。
「そんな事はないよ似合ってる。」
「本当!?フフよかった。
それじゃ休もう…ね?」
そう言って、姉さんは、寝室に促してくる。
「あっうん…え?」
孝介が寝室に入ると
ベットの隣に見慣れない布団が敷いてあった。
「ねっ姉さん?こっこれ…」
「フフフ…どうしたの?
ただ隣に寝るだけじゃない…ほら、」
姉さんに背中を押されて寝室に入る。
「いやそれは、おかしいでしょ」
「おかしくないわ、
それに今日のこうくんを見て、
一人にできると思う?」
「ぐっ…でも、俺たち高校生で…その」
「フフ…もしかして、
私に何かするの?」
姉さんは、自分の胸を強調する様に
持ち上げつつ何処か妖艶な笑みを浮かべる。
「っ、…そんな事しないよ!!」
孝介は、視線を逸らす。
「フフでしょ、なら問題ないね
さっ…寝よ?」
「うっ…うん…」
・
・
・
「こうくん」
「…ん?」
「…フフ、ただ呼んでみただけ…」
「そっそう…」
(ハァー寝れる気がしない)
ベットと布団で離れているものの
やはり、孝介も思春期真っ盛りの
高校生である。
どうしても、姉さんの事が気になって眠れそうにない。
「…こうくん」
このやり取り何回するつもりなのだろう…
「何?姉さん…」
「…いつまで、私の事姉さん呼びするの?」
ビクッ
孝介は、予想外の事を言われて、驚きながらも姉さんの方を見る。
「過去と決別するんでしょ?
なら、その第一歩として、
呼び名から変えた方がいいんじゃない?」
「それは…必要?」
「うん必要だよ…さぁこうくん」
「…うん…えっと」
「鈴」
「……」
「鈴」
「…なんでそんなに、言わせた…」
「鈴」
「……鈴さん」
「はい、こうくん♡」
グッ…恥ずかし!!
けど姉さんは、嬉しそう。
「ねっ……鈴さん、
鈴さんは、呼び方変えないの?」
「私?こうくんは、変えてほしいの?」
「そのお試しで」
俺だけ恥ずかしい思いをするのは不公平だ、だから、姉さんにも恥ずかしい思いをして貰おう。
「わかったわ、孝介くんフフ…これでいい?」
ッ!!何か胸にくるものがあり、
孝介は、勢いよく布団を被り、
鈴に背を向ける。
「フフやっぱり、少し恥ずかしわね
…ん?どうしたの?」
「いや!?眠たくなっちゃって」
「あっごめんね、
気がつかなくって、じゃもう寝ましょう」
ドキドキ…胸の鼓動が治らない…
「…おやすみ」
そのせいか、ぶっきらぼうな返事になってしまった。
「フフ…はいお休みなさい…こうくん」
そうして、夜が更けていった。
これでこの五章は、終わりにします。
次の章は、少ししてから、投稿したいと思っています。
最後にここまで読んで頂き感謝申し上げます。
終わりまでしっかり描いていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
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