日菜姉と週末

時はたち、土曜日になった


朝、鈴先輩が実家に行くと言うので

お見送りをした


「本当に大丈夫ですか?

 顔色悪いですよ」


「大丈夫、ちょっと寝つけなかっただけだから、じゃ行くね」


鈴は、力無く笑いながら出かけていった


「本当に、大丈夫かな?」


孝介は、鈴を心配したが

いつまでも心配するわけにも行かず

部屋に戻った


「さて、ひな姉が来る前に

 最終確認しないとな」


週末に向けて、

鈴と二人で片付けなど行ったがそれでも心配な為、部屋を見て回っていたなか

窓の外が気になった


「雨降ってる」


外を見るとザァーザァーと雨が降っていた


「ひな姉、傘持ってきてるかな?

 結構そう言うとこ抜けてるから」


そう言うともしもの為に、

お風呂とタオルを準備した




ピンポーン

「はーい」


孝介が玄関に向かい扉を開けると

びしょ濡れの日菜が立っていた


「こうちゃん、雨が突然降ってきて

 ずぶ濡れになっちゃった」


「ひな姉!取り敢えず家に入って、

 はいタオル!!お風呂も準備してるから」


「ありがとう〜、じゃお邪魔します」


日菜は、おっきなバックを持って風呂場に

入った


「………うん?

 何あのバック?」


孝介は、何か嫌な予感がした







「こうちゃん、お風呂ありがとう!」


「ひな姉、お湯沸かしたから何かのむ!?」


「えっ、ありがとう

 じゃあ何飲もうかな〜

 …うん?どうしたの?」


「えっと………なんでパジャマ?」


「あっ可愛いでしょう、新しく買ったんだ」


日菜は、着ている黄色いヒヨコのついた

パジャマをどうだと孝介に見せつけた


「似合っているとは、思う」


日菜は、少し小柄で髪も短い為

少し子供っぽいが出てるが

似合ってるのは、確かだった


「うんうん、そうでしょう」


「でもさ、なんでパジャマ

 持ってきてるの?」


「今日、泊まるから」


「誰が?」


「私が」


「どこに?」


「ここに」


孝介は、頭を抱えた


「よろしくね、

  こうちゃん」





 





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