話し合いと姉②【鈴視点】

ザバ〜

「フウ、いい気持ち」

鈴は、湯船に浸かって

孝介が話した内容を思い出した


「週末に、家族が来るか〜」


「………よかった、早めに聞いておいて」


鈴は、安堵のため息をつく


「家族が来るって事は、あの人だよね」


ーあの人、 

コウくんの祖父、

つまり私の元祖父

そして、私とコウくんを引き離した人間の

一人


「……まだ見つかるわけには、行かない」

「コウくんに姉として受け入れられて

 いない、今もし見つかってしまったら」


ゾクッ

全身から冷や汗が出る

湯船に入ってるのに、体がブルブル震える


「週末までに、隠さなきゃ私がいた痕跡

 見つかるわけには、行かないから」

         ・

         ・

         ・

         ・

         ・

数分後、

鈴がお風呂から上がり寝る準備をしていると

プルプルとスマホが鳴った

「誰かしら?」


スマホを手に取り見てみると母からだった


「………」


鈴は、一度は無視しようとしたが

週末のこともあるので渋々通話に出た


「もしもし、お母さん?」


「あっ鈴?

 ……今大丈夫?」


「うん、大丈夫どうしたの」


「あの、最近どうかなって思って

 連絡もあんまりこないし」


「……ごめん

 引っ越しで忙しかったから」


「そっそうよね、ごめんね」


「…………」


「…………」


無言が続く


「……えっと……

 そうだ鈴ちゃん

 時間が開いたらこっちに顔を出さない?」


「……今週の週末、一回帰るつもり」


「そっそうなの!?

 わかったわ、

 パパにも梓にも伝えておくわ」


「…………うん」


「フフよかったわ、

 週末には家族全員揃うのね」

「私たち全員が」


「ッ!!」


鈴は、歯を食い縛る


「鈴?」


「……ごめん

 疲れたからきるね」


「えっ?わかっ」ガチャン


鈴は、通話を切り

ベットにスマホを投げつけ

体を震わせた


「クソッ!クソッ!クソ!!

 違う違う違う違う違う違う違う!!

 ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなー!!」


「何が

 あんた達なんか、

 本当の家族じゃない!!

 本当の家族は!!

 本当の……家族は」



「……………コウくんだけ」




鈴は、壁に頭をつけ語り掛ける

願わくばこの思いが隣にいる

あの子に伝わる様に












 


 






 

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