日菜姉とお泊まり①

「よろしくね、こうちゃん」


孝介は、頭を抱えながら

「えっと、一人暮らしの男の家に泊まるのは、

 不味いと思うのですが」


「えっでも、こうちゃんだよ?

 一人暮らしする前

 よく泊まりに行ってたよね?」


「いやその時は、爺ちゃんも居たし、

 日菜姉のお母さんからも

 お願いされてたから」


「あっ大丈夫だよ

 お母さんもこうちゃんなら大丈夫って

 ことで止まるの許可してくれたから」


「なんで!?」


「だからいーいーでしょ、

 お願いー!」


日菜は、両手をすり合わせてお願いする


「……ハァわかった、いいよ」


「ありがとう!こうちゃん」

ギュ


「ちょ抱き付かないで」


「ニヒヒ、照れちゃって」


日菜は、ニヤニヤしながら体を離した


「ハァ取り敢えず飲み物は、ココアでいい?」


「うん良いよ」


「わかった、じゃ入れてくるから

 待ってて」


「うん、わかった」


孝介は、ココアを淹れる為にキッチンに向かった

        ・

        ・

        ・  

「ひな姉入れてきたよ〜

 ってあれ?」


ココアを入れ日菜がいた

リビングに持ってきたがそこにいなかった


「どこ行っちゃたのだろう?」


ココアを置いて探す


トイレ?違う

お風呂?違う

外?靴もあるから有り得ない


じゃ後は、寝室?

孝介は、寝室のドアを開けた


「ひな姉?」


そこには、日菜が立ってた


「…………おかしい」


「えっと、おかしいって?」


ビクッ

「えっこうちゃん!?」


日菜は、部屋に入って来た孝介を見て驚いていた


「そんなにびっくりする事?」


「えっとその、

 ……ほらっ!一人暮らしだから

 そのの本を隠してたり

 してるのかなって」


「…つまりそうゆう本を探す為に、

 寝室に入ったが一向に見つからない

 からおかしいと言ったと」


「…うん」


「ハァ、ひな姉を俺そんなの持ってないから」


「……それは、それで心配」


「なんで!?そこ安心する所じゃないの?」


「普通、男ならそう言う本一冊や二冊持ってるもんでしょ」


「いや、とっとにかく

 ココア冷めるから戻るよ」


「は〜い」


……どうやら隠蔽工作の

お陰で見つからなかったらしい

孝介は、心の中で安堵した


 



  


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