知り合い? ②

「なんと言うか、普通よね

 面白みが無いわ」


詩織さんは、そう言ってコーヒーを一口飲んだ。


「…面白みって、コーヒーにいりますか?」


「えっだって、

 リアクション取りずらいじゃない」

「美味しかったら、

 おいしいって褒められるし、

 不味かったら、それこそ弄れるから」


そう言って、わかってないわね〜と

詩織さんは、首を振る。


「ほう、もう出来たのか

 前より手際が良くなったな」


「爺ちゃん」


そう言いながら、爺ちゃんが戻って

来て早々、孝介が淹れたコーヒーを飲む。


「…うむ、普通だな

 孝介もう少し面白い味にできなかったのか?」


「爺ちゃんまで…」


孝介は、溜息を吐きつつチラリと

鈴姉さんの方を見る。


「………、でお願いしたいですけど」


「わかりました。その予定でお願いします」


姉さんは、何かの打ち合わせをしていて、

その様子は、喫茶店に入って来た時に比べて何処かほっとしている様子だった。


姉さんの様子が、

変わった要因は、爺ちゃんだと思う。


思うと言うのは、

爺ちゃんが姉さん達の元に向かった時、


自分は、コーヒーを淹れてたし、

姉さんの方に意識向けようとすると

詩織さんが、ちゃちゃを入れてきた為

会話を聞いたり、見たりできなかったのだ。


「孝介」


しまった、ぼーと考えこんでしまった様で、

爺ちゃんに指摘されてしまった。

それを爺ちゃんに謝ったら、

気にするなと言われ、


「………孝介、大丈夫だ」

とボソリと言われた。


「えっ?それってどう言う…」カランコロン


孝介が聞こうとした瞬間

入り口から音が聞こえてきてお客さんが入ってきた。


「孝介、お客さんだ」


「…わかった」


孝介は、言葉の意味を聞けず

接客に向かった。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る