姉の部屋
【鈴視点】
「さぁ入って」
「はっはい」
こうくんを私の家にあげる。
あのまま話してもよかったが、
それでは、また同じ事が起きるかもしれない
なので私は、勝負に出る事にした。
「こうくんそれじゃ、ここに座ってて」
私は、ソファに座るように促すと
こうくんは、大人しく座った
見るからに緊張していて、
キョロキョロしている。
「うん?何かおかしいかな?」
「へっいや!全然おかしくないです。
素敵な部屋ですよ!!」
「フフ、ありがとうじゃ持ってくるから、
少しだけ待っててね」
「はい」
こうくんを残し私は、寝室に向かった。
バタンッ
「…ふぅ…さて、
さっそく持っていかないと…だけど」
クローゼットから箱を取り出すが、
鈴の心境は、複雑だった。
何故なら、
鈴が持っていた孝介との思い出の品は、
過去に捨ててしまった為
もう一枚の写真以外ない為だ。
では、今持ってる箱の中身はなにかと言うと
母が持っていた品だ。
「ハァ…過去の私を恨むわ
捨てるんじゃ無くて隠せば…いえ
今更言っても無駄ね」
「…とにかく、あの写真も持っていこう」
鈴は、
写真が無数に貼ってある中から
一枚の写真を取り寝室を出た。
【孝介視点】
「ハァ〜ここが鈴姉さんの住んでる所」
孝介は、キョロキョロ周りを見る。
鈴の部屋は、緑を基調とした部屋で
アロマの匂いが香り
孝介の部屋と間取りも同じはずなのに、
まったく別の雰囲気を醸し出している。
「…ハァ…なんであんなこと言ったんだろう」
孝介は、先ほど鈴姉さんに
『あなたは…本当に俺の
お姉ちゃんですか?』
と言った事を後悔していた。
里紗の言葉もあり
鈴への疑惑もありはするが
鈴が姉では無いと言う話は、
孝介自身、ありえないと思っていた。
だが、孝介は実際に聞いてしまった。
それは孝介自身、心の片隅で、
鈴が姉であって欲しくないと
思っていた為である。
それは、孝介が心のそこでは、
姉を受け入れられていないのか
それとも……?
パタパタ
「お待たせこうくん」
鈴姉さんが寝室から出てきた
その手には、おっきい段ボールの箱を
持っていた。
「それが思い出の品ですか?」
「うん…それじゃ見ようか」
二人は、箱を開け中の物を見始めた。
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