孝介と風邪②
「……………う、ん?」
目が覚める時計を見ると帰ってきてから
二時間ほどたっていた。
今も体調は悪いが少し寝たおかげだろう
だいぶ楽になっていた。
「…こうくん、目が覚めた?」
声をした方を見ると鈴先輩が本を読んでいた
「鈴さん…?」
孝介が起き上がろうとするが
「だめ」先輩が制して来る
「こうくん、私びっくりしたのよ
玄関は、開いてていくら呼んでも
返事はしないし」
「中に入ったらこうくんが苦しそうに
倒れてたから」
「…すいません」
(また、鈴先輩に迷惑かけてしまった)
「だから今は、休んで…ね」
「…はい」
孝介は、大人しく横になった
「うん、それじゃ」
先輩が手を額につけて来る
「……まだ熱があるね、
こうくん薬飲んだ?」
「いえ飲んで無いです」
「そう、なら飲もうね
一人で飲める?」
コクンと首をふり
薬と水を貰い、薬を飲む
「うん、よく飲めました
じゃゆっくり休もうね」
先輩がヨシヨシと頭を撫でる
「…鈴さん、子供扱いしないで下さい」
「フフ、頑張りすぎて体調崩しちゃう子は、
子供扱いで十分です」
「くっ」
先輩は、優しく微笑む
自分も迷惑かけてるので受け入れるしか無い
「フフ、ほら機嫌直して
私は、この数日君に避けられてて
悲しかったんだから、
これぐらいの仕返しは、許して」
(…やっぱり傷つけていた)
「すいません、俺…気まずくて」
「ん…わかった許すだから、
もう避けないで…いい?」
「はい…わかりました」
「うん、じゃもう少し休もうか
私その間に少し食べ物買ってくるからね」
「すいま」
「謝らないで、こうゆう時は…ね」
「…ありがとうございます。」
「うん、じゃ行ってくるね」
そう言って先輩は、出ていった
(とにかく休もう)
孝介は、再び目を閉じた
《鈴視点》
「うん、じゃ行ってくるね」
私は、寝室を出たのち
身支度を整えて玄関に向かった
トントン靴をはく
(さて急いで行かないと)
玄関のドアを開ける……そこには、
「…………日菜」
ビニール袋を持った東条日菜がいた
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