ある意味お似合い

ピンポーン

ガチャ

「はーい…あっこうちゃん!

 おはよう朝早いね」


「おはよう日菜姉、詩織さんから

 早めに来てくれって言われたから」


今日は、日菜姉のお母さんである詩織さんに呼ばれて日菜姉の家に来ていた。


日菜姉の家は、爺ちゃんの喫茶店から

徒歩大体五分程度でなかなかでかい。


「ふーんそうなんだ、じゃ上がって

 お母さーん!こうちゃんきたよ!!」


孝介は、家に入りリビングに通されると

ソファーに座っている女性に話しかけられた。


「おはよう、孝介くんよくきたわね。」

「おはようございます。

 詩織さんご無沙汰してます。」

「本当よね、まったく」


詩織さんが溜息をつく


詩織さんは、日菜姉と里紗の母親で

幼少期からお世話になっている。


「ハァー、一人暮らし始めたら

 なかなか会いにこないんだもんな〜

 私は、孝介くんの事自分の息子のように

 思ってたんだけどな〜悲しいな〜」

「ぐっ…すいません」

「もう、お母さんあんまり困らせないで?

 こうちゃんが困ってるの見て

 楽しんでるでしょう?」


そう日菜姉が言うと詩織さんが、

あははと苦笑いして


「……バレちゃった?ごめんごめん

 まぁでも、孝介くんが来なかったから

 寂しかったのは本当だから」

「…お母さん」

「…詩織さん」


旦那さんである彰さんは、

今海外に単身赴任中であるため

詩織さんは、寂しい思いをしているのだろう。


「すいません、

 俺もこれからはちょくちょく

 来るようにしますので」


「ほんと?」

「はい」

「…ありがとう」


詩織さんは、両手を顔に当て俯いた。

(詩織さんそんなにも…)


「……それも演技だからね」


「え!?」


嘘…?

声がした方を見ると里紗が

あくびしながら歩いてきた。


「ぶぅー里紗ちゃんひどくないー?」


詩織さんが顔を上げ

里紗に抗議する。


「何がよ、

 あんまり孝介を弄ばないで

 騙されやすいんだから」


「えっ!?お母さん嘘だったの!?」


「いや、お姉ちゃんこれは騙されたの…?

 わからないよお姉ちゃんの騙される基準」

「ハァ…我が娘ながら、

  将来が心配だわ…」


詩織さんと里紗が、溜息を吐く


「「えっえっ」」


孝介と日菜は、状況が理解できず

右往左往している。


「……これはこれでお似合いかも

 しれないわね里紗」


「…えぇ」

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