日菜の追憶①

「……わかった、信じるわ

 ただこうちゃん、お説教です」


「……はい」




その後孝介は日菜に、

今回は、いい人そうだから良かったが

知らない人を簡単に家に上げない

ましてや合鍵を渡すなんて言語道断

と永遠に説教されていた


「……わかった?って聴いてる!?」


「うん聴いてるし反省してる」

「ただもう、一時だよ」


「…えっもうそんな時間、

 うむ〜仕方ないとにかく

 こうちゃんは、不用心すぎる

 ちゃんと危機感持ってね」


日菜が、メッてしてくる


「はい、すいませんでした」


「とにかくもう寝よ」


と言うことで日菜と孝介は、

寝る事にした

        ・

        ・

        ・

        ・

        ・

日の光を浴びて目が開く

その先には、ひな姉の顔があった


「おはよう、こうちゃん」


「おはよう今何時?」


「8時ぐらいでもまだ寝ててもいいよ

 休日なんだし」


そう言うと日菜は、孝介の頭を優しく撫でる


「ふふ、また目がトロンとしてきたね

 ヨシヨシ私は、そばにいるからね」


「ひな姉…………すぅ〜」


孝介は、再び目を閉じて眠りにつく





ー【日菜視点】ー

「ふふ、寝顔かわいいな」


私は、こうちゃんの頭を優しく撫でる


「時々は、ゆっくりさせないとね

 こうちゃんは、小ちゃい頃から

 溜め込みやすいから」


こうちゃんの髪サラサラで気持ちいい


「もうこうちゃんとの出会いから

 何年経つんだろうあれは……」

        ・

        ・

        ・

        ・

        ・

私がこうちゃんと出会ったのは、

私が小五の冬だった

「日菜〜、ちょっと頼みたい事があるの」


「な〜に?お母さん」


「ちょっとマスターの所に

 これ持っていってくれる?」


お母さんが袋を渡してくる


「これを持っていけばいいのね

 わかった行ってくるね」


「あっまって日菜、はいお小遣い、

 せっかくだから喫茶店で

 何か食べてきなさい」


「いいの!?ありがとうお母さん」


母からお小遣いを受け取り

ルンルンで喫茶店に向かった


「ニヒヒ嬉しいな、何食べよう?」


カランコロン

「マスターこんにちわ」


「やぁ、日菜ちゃん今日も元気だね」


「うん!そうだこれお母さんから」


マスターに袋を渡す


「うんありがとう、おっそうだ新作の

 ケーキがあるんだ食べるかい?」


「うん、あっでもお小遣いあるけど

 足りるかな?」


日菜は、財布を出して確認しようとした


「ハッハ、お金はいいよここまで届けてくれたお礼だ」

 

「えっでも」


「いいから、飲み物はいつもの紅茶でいいかな?」


「うん、ありがとうマスター」


私は、マスターにお礼を言って

いつもの定位置であるカウンターの席に

向かったがそこには、一人の男の子がいた


「こんにちわ!!」


「…………こんにちは」


これがこうちゃんとの出会いだった











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