狂気か愛情か
「…もういいよ」
「え?」
「わかったって言ったの
お母さんの自由にしていいよ」
鈴は、にっこり笑い話す。
母は、納得してくれたと思いホッとしている。
「お母さんは、再婚するつもりはあるの?」
「えっうん…実は、結婚しないかって
言われてる」
「そう、おめでとういいんじゃない」
そう言うと母が嬉しそうにする
「それじゃ私部屋に戻るね」
目の前の手紙が箱をとって立ち上がる
「ああ…そうだこれから、家族三人で幸せになってね」
「………え」
鈴は、母を残して部屋に戻った。
バタンッ
鈴は、自分の部屋に帰ってきた。
取り敢えず手に持っている箱を
机の上に置こうと思い歩き出したが、
「あっ…」
フラッと糸が切れた様にへたり込んでしまった。
身体がに力が出ない
目から涙が出る。
「…グスッ…だめ…まだ」
涙を必死に拭いながら、
箱を開ける幸い綺麗にまとめられている様で
古い順に読める様だ。
鈴は、一枚一枚ずつ読んでいく
こうくんからの手紙には、
お姉ちゃんは、元気にしてますか?や
寂しい会いたいなどが書いてあり、
他には、今日は何があったとか
日々の生活の事も書いてあった。
「…こうくん」
(こうくんは、書き続けてくれたんだ…
返事も来ないのに)
鈴は、胸を締め付けられる思いがした。
鈴は、手紙を読み進めると
ある変化に気づく
ある時を境に、楽しそうな内容が多くなった。
そして、手紙に
『お姉ちゃん、僕は今楽しいよ
だから僕は、大丈夫』と
書いてあった。
「…そう…よかった…」
ホッと安心する
こうくんは、今の生活が幸せなのだろう
良かった…でも、
「……あれ?じゃあ私は?」
鈴は絶望した。
…私は、どうすればいいの?
どうしたら幸せになれるの?
私は、三人で暮らせる事を夢見て今まで
耐えてきたなのに、
母とこうくんは、別々の道を歩んでしまった
残されたのは私だけ…
「ああ…私の頑張りって
なんだったんだろう…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます