壊れてしまった物②

「……ねぇ、お母さんそれでなんで、

 私に言わなかったの?」


「それは……少し待ってて」


母は、立ち上がって部屋を出て行き

しばらくすると一つの箱を持ってきた。


母が、箱を開けると手紙がぎっしり入っていた。


「これ…は?」


手紙に書いてある文字を見ると

見覚えのある文字だった。


「これは、孝介くんから鈴に向けた手紙よ」


ガバッ

首を上げ母を見る


「え…私…知らない」


「そうでしょうね、私が隠していたから」


「…なんで?」


「…鈴、孝介くんの事嫌ってたじゃない」


「そんなわけ!!……あ」


確かにここ数年の鈴は、孝介を拒絶していた。

だがそれは、孝介の為にやった事で、

でも、母から見ればそんな事は、

わからないだろう


「くっ…わかったわ」


鈴は、渋々納得するしかなかった。


「よかった、理解してくれて」


「…でも、もう一つ隠してるよね。

 今…付き合ってる人がいるんでしょ?」


「!?、…それまで知ってるんだ」


「やっぱりそうなんだね、

 …お父さんの事…いや…」


鈴は、お父さんの事忘れて

他の男が好きになったの?

と聞こうとしてこれは、

あんまりだと思い言うのをやめたが


母には、言いたいことが理解できた様だ


「…もちろんあの人の事は、今でも好きよ

 …でもそれと同じ様に

 西宮さんの事も好きになったの」


「でも、お母さんとその人を合わせたのは

 祖母よ、わかってる?」


「わかってるわ、だから最初は警戒してた。

 だけど西宮さんは、優しくて

 そのあと私の今の状況とかを聞いて

 それでもそれでもいいって

 言ってくれたの」


「でもあちらにも子供がいるよね。」


「うん、梓ちゃんねとてもいい子よ

 私と鈴二人の事も受け入れて

 歓迎してくれるって」


母は、真剣な顔でこちらを見た。

そんな顔を見た

鈴は、否定しづらくなり

渋々受け入れるしか無かったが

一つ聞かなければいけなかった。


「…わかったわ、お母さんが決めた事だから

 受け入れるわ」


「本当!?」


「うん、ただこうくんは

 受け入れられる?

 受け入れられなかったら、

 私は、その人達は認められないけど」


鈴は、こうくんを害する祖父母達はいないし

お金の心配もない、

母は、こうくんを傷つけたらしいが

なんとか謝って許してもらい

それで一緒に暮らせると思っていた。


「えっ…鈴?」


「?、取り敢えずまずは、

 こうくんを向かい入れて

 三人で暮らしてから考えよう?

 …お母さん?」


母が困惑している様だった。


「鈴……孝介くんは、引き取らないわよ」


……は?

母の言葉が理解できなかった。


「…ふざけないで、

 何言ってるのこうくんは家族だよ。

 家族なら一緒にいないと、

 今なら…」


「鈴……もう孝介くんは、

 の」


「違う!こうくんは、家族で私の弟よ!!」


「鈴冷静になりなさい、

 孝介くんにも孝介くんの生活があるの

 今引き取っても、

 孝介くんが幸せになるかわからない」


「…な…にを」


「もう一度言うわ、

 もう


プチン

鈴は、何が切れる音がした。

そして、気づいてしまった。

自分と母の違いを


鈴は、引き離されてもこうくんを思っていた

だが母は、違うこうくんを心からも

のだ。


そう気づいたその時不思議と

母への

怒りや悲しみ、憤りなどが無くなった。








…そう母がこうくんを捨てるなら

私は、母を





どうもここまで読んでいただきありがとうございます。

さてこの2.5章ですが

もうそろそろ終わります。

その後三章も始まりますのでよろしくお願いします。

最後にこの作品が良かったって人は、

ハートやコメント、星など

宜しければお願いします。

以上、雪見桜でした。

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