私は、息子を 【寧々視点】

「お母さん、やっぱりいた」


どっどうしよう…

私は、詩織の方をチラリと見る。


詩織は、あちゃーと頭を抱えていた。

どうやら、詩織にとっても予想外だったらしい。


「お母さん?」


「あっはい、孝介くん…その久しぶりね?」


「うん」


「孝介くんは、そのどうしてここに私がいるってわかったの?」


孝介が言うには、

数日前にシスターと詩織が

今日、私と会うと言う話しをしてたのを盗み聞きし私に会う為に、探していたらしい。


「でも、孝介くん学校は?」


そう今日は、平日で詩織によると

孝介くんの様子がいいと言う事で

学校に登校させたらしい。


「早退した」


「早退?…おかしいわね、

 そんな連絡来てないんだけど」


詩織がそう言ってスマホを確認し出した。

どうやら孝介くんは、誰にも言わずに

学校を抜け出してきたようだ。

 

「孝介くんが私に会いに

 来てくれたのは嬉しいわ

 …でも、学校抜け出すのはダメよ」


「…ごめんなさい、

 でも、どうしてもお母さんに

 伝えたい事があって」


「伝えたい事?」


「うん…あのね…お母さん、

 家族になってくれて

 ありがとうございました。」


孝介くんは、そう言って頭を下げる。


「えっ…と」


「もう中学生だからわかってる。

 もうお母さんとは、家族じゃないって」


「いや…ちがっ」


「ハハ…まぁ本当は、最近理解できたと言った方がいいかもしれないけどね」


そんな事は、無いと大声で伝えたかったが

うまく言葉に出来ない。


「でも、理解できたからこそ

 僕は、前に進める」


「孝介くん…」


「そんな心配しないで、

 僕には、お姉ちゃんもいるから」


そう言って、

孝介くんは誰もいない隣を見る。


…孝介くんそこには、何もいないの

そのお姉ちゃんは、孝介くんの…


私が孝介くんにそう伝えようとすると

孝介くんの後ろにいた詩織が首を横に振った。

…伝えては、ダメなのね…


「お母さん?」


「ッ!ううん何でもないわ…」


あぁ…私は、理解した孝介くんは、

私達じゃなく幻想の家族を選んだんだと言う事を


悔しい…そして悲しい…でも、

それで孝介くんが幸せになれるなら、


「こちらこそありがとう

 孝介くんは…私の自慢の息子だよ」


私は、孝介くんを捨てる。


 






こんにちは、

これで寧々の過去は、終わりです。

ここ数日忙しすぎて投稿できませんでした

すいません、

落ち着くまで不定期になると思いますのでよろしくお願いします。



 

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