お姉ちゃんと朝ごはん。

「「いただきます」」


孝介は身支度を鈴はご飯の準備を行い

二人一緒に、朝ごはんを食べる。


(…鈴さんがお姉ちゃんか〜)


孝介は、目の前の食事をしている鈴を見るが

記憶の中のお姉ちゃんとかみ合わない


「うん?どうしたの

 …もしかして、まだお姉ちゃんだと

 信じてない?」


「えっと、…はい」


確かに時々、

鈴さんといるとお姉ちゃんを思い出す事が

あったが、


「何というか、鈴さんとお姉ちゃんが

 かみ合わないというか」


「…どう言う所が?」


「えっと……鈴さんは、

 きっちりしてて綺麗好きですけど

 お姉ちゃんは、不器用で

 後片付けも適当でした」


ピキッ、

「…他には?」


「お姉ちゃんは、優しかったですけど

 頭が少し悪くていつも

 テストの点数が赤点に近くて」


ピキッピキッ

「………………続けて」


「それでその…

 お姉ちゃんは、ふっくらしてると言うか

 マシュマロみたいに柔らかいというか

 ……………ぽっちゃり?」


バキッ!!

「ふーん、そんな事思ってたんだ〜」


「あ」


やっやばい!!

鈴さんを見ると箸を

片手で折って笑顔を見せていて

その笑顔が恐い


「いやっ!

 お姉ちゃん可愛いかったし

 そのッえっと柔らかったし」


必死に言い訳する。


「……フフ、いいよ許してあげる

 私自身、昔の事は自覚してるから」


「…それで…その昔の私…どう思ってた?」


鈴は、ビクビクしながら聞いてくる。


これは、離ればなれになった今でも

自身を持って言える。


「好きだよ」


「ッ…ありがとうこうくん」


鈴は、満面の笑顔を見せる。


「あっ…」


その笑顔は…記憶の中にあるお姉ちゃんと

同じだった。


「………お姉ちゃん」


「うんお姉ちゃんだよ」


「…おねえ…ちゃん」


あぁ…理解した

鈴さんは、お姉ちゃんだと言う事を

涙がこぼれ嗚咽する。


「フフ、こうくんは泣き虫さん」


「ちがッ…」


「前もあったでしょ、

 …フフ私の事で泣いてくれてうれしい」


そう言い孝介抱きしめ

背中をポンポンしる

        ・

        ・

        ・          

「すいません、もう大丈夫です。」


泣き止んだ孝介は、離れようとするが

がっしりと抱きしめたまま離さない。  


「だめだよ、まだ離さないから」


「えっと〜」


「だってまだ学校まで時間あるし、

 それに、好きなんでしょ?」


「ゴホッ!?」

(何言ってんのこの人!?)


「だって、お姉ちゃんの事

 マシュマロみたいに柔らかいとか

 言ってたでしょ?フフフ」


(さっき行ったこと根に持ってるー!!)


「まぁあの頃より、痩せちゃったから

 全体的には、

 柔らかく無いかもしれないけど」


ムギュ

鈴が、顔に胸を押しつける。


「フフ、ここは柔らかいと思うよ」


(やわらかっ!!それに鈴さんの匂いが…

 幸せだけど息が!!)


孝介は、息をしようとモゾモゾ動く


「んっ、そんなにお胸が好きなの?

 そんなに顔を擦り付けて…フフ」


鈴が頭を撫でようと片手を動かす

そのおかげで抱き締めてた力が弱まり

頭をあげられる事ができ

孝介が見上げる形で見つめ合う。


キュン

「ハァ〜こうくん可愛い」


鈴は、優しく頭を撫でる。

当然孝介の理性は、爆発寸前だ。

何とかこの状況から脱出しなければ


「あのそろそろ、家を出ないと

 遅刻しちゃいますから

 離れませんか?」


「あらいいじゃない、遅刻しても

 というか休もう?」


「いやそれは」


「…ハァわかったわ」


(よかった〜、何とか解放されそうだ

 このままだと、色々まずかったから)


孝介は、一安心したが、


「でも条件があるわ」


「えっ条件?」


「私の事…これからお姉ちゃんって

 呼んで?」


「…それは…」


「ダメ?」


悲しそうな顔でこちらを見る。


「…お姉ちゃん…ッ

 やっぱり…その…

 姉さんとかどうですか?」


お姉ちゃん呼びが予想以上に恥ずかしくて

顔を真っ赤にする。


「うーん…うん!それでいいよ

 こうくん!!」


鈴は、孝介から離れた。


「それじゃ、

 急いで準備して学校行こうか?

 …こうくん」




「はい……姉さん」

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