先輩と料理2

「私が夕ご飯作ってあげる」


「・・・え!?」


そっそれって西宮先輩の手料理ってこと!?


「そうね・・・・・私の家は、まだ片付いてないから孝介くんの家でいいかな?」


「えっはい、大丈夫ですけど

 今冷蔵庫の中空っぽでして

 買い出しに行かないと」


「大丈夫、うちに材料があるから」


「えっでも」


「いや?」


先輩が悲しそうにしている


「いえ嫌じゃないです。逆にありがたいと言うか」


悲しそうな顔から一転笑顔になり

「うん、じゃあ持ってくるからちょっと待ってね」


そう言うと先輩は、隣に戻っていった


「えっ・・・マジか、

 本当に先輩の手料理食べれるのか」


「とっとりあえず部屋の片付けした方がいいな」


孝介は、はやる気持ちを抑え部屋の片付けを行う


・・・5分後

食材を持った西宮先輩が我が家にきた

「待たせたかな?」


「いえいえ全然、どうぞ上がってください

 食材は、キッチンに運びます。」


「うんありがとう、お邪魔します」


食材を受け取りキッチンに運び

先輩をリビングに案内した


スー

「ここがコウくんの住んでる場所」ボソッ


「えっ」


「何でもないわ、じゃさっそくご飯作るわ」


先輩が首を振る

何か聞こえた気がするが


「おっお願いします、何か手伝えるものとかありますか?」


「フフ、大丈夫出来上がるまでテレビでも見て待ってて」


「いやそれは」


「本当に大丈夫よ、でもそうね・・・料理が完成したら運んでもらっていいかしら」


「わかりました」


「うんよろしくね」 


先輩は、家から持ってきたであろう

エプロンを着て長い髪をまとめポニーテールにしてキッチン向かった

その姿に胸が踊った


うちの先輩かわいい

髪をまとめた時に見えたうなじが色っぽくて

なんかいい匂いしたし

とにかくエプロン姿が可愛すぎる!


「これは、夢じゃないだろうか」


胸がドキドキした




ー数分後

孝介は、待ってる間テレビを見ていた

もちろんこんな状況で落ち着いていられず訳もなく内容は、頭に入ってこなかったが


「孝介くん、お待たせ料理できたよ運ぶの手伝ってくれる」


「はいわかりました」


孝介は、テレビから離れテーブルに料理を運ぶのを手伝った


「うわー美味しそう」


先輩は、恥ずかしそうに

「材料的に簡単なものしか作れなかったけど」

 

「イヤイヤ、作ってくれるだけでもありがたいですし充分な量ですよ」


テーブルには、ご飯、メインに野菜炒め、

副菜にほうれん草のおひたし、味噌汁と

美味しそうな料理が並んでる


「そう、じゃあ食べましょうか」


「はい」


「「いただきます。」」


孝介は、箸で野菜炒めを掴み口に入れた

先輩は、どこか不安そうな目で見ている


「どうかな?」


「う」


「う?」


「美味いです!

 野菜炒めは、野菜はしんなりしていて味付けも抜群で美味しいですし

 味噌汁も、ズズッ

 出汁が効いてて美味しいです」


「ほっ、よかった」


先輩は、安心しているようだった


先輩の手料理を食べるだけでも嬉しいのに

本当に美味しい、箸が止まらない


・・・・・でも、何故を感じるのだろう


「こっ孝介くん?

 ・・・どうしたの?」


「え?」


「泣いてるの?」


先輩の言葉で気づいた

自分が泣いてることを


「えっあれ、ハハハすいません

 なんでだろう涙がハハ目にゴミが、」


涙を拭いて見ても止まる気配がない

ガバッ

先輩が椅子から立ち上がり

自分を優しく抱きし頭を撫でる


「大丈夫、大丈夫だから泣いてもいいのよ

 私がず〜っとず〜っといるから」


その言葉を聴いてとうとう涙止まらなくなり

先輩の胸で泣いた








・・・泣いてる意味すらわからないのに
























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