恋する花火⑤
「うんうん…で、
こうちゃんにとって、
……私って何?」
「えっ…日菜姉は、日菜姉だよ」
「でも、私はこうちゃんの
お姉ちゃんじゃ…ないんだよね?
じゃ…私って?」
「それ…は…」
「こうちゃんは、私を捨てたんだね」
「あっ…いや…ちがっ…」
その言葉にグッと胸を締め付けられ
孝介は、上手く言葉に出来ずに
まごついてしまう
(俺が日菜姉を…捨てた?
いや…いや…
日菜姉は、日菜姉でしかないし
確かに姉同然に思っていたけど
姉じゃなくて、いやでも姉になるって
なってくれるってそれを?あれあれ?)
なんとも言えない不安感と不快感が
孝介を襲う
そんな孝介に日菜は、
背中をさすり優しく子供をあやすように
語りかける。
「本当のお姉ちゃんが
現れたら、私なんてお払い箱
結局私は、代用品でしかない
私知ってたもん」
「………」
「ふふ、否定してくれないんだね...」
「おれ…は…」
孝介は、ただ違うと一言言えばいいのに
その言葉を口から出すことができなかった。
(俺は、ずっと日菜姉をお姉ちゃんの
代わりにしていた…)
日菜の言葉を否定しようにも、
受け入れてしまっている自分がいる。
(その上、俺は、
姉さんが帰ってきたからって、
日菜姉を…俺は…捨て…た。)
孝介は、体が震え出す。
自分は、捨てられる気持ちが
わかるはずなのに日菜を捨てた
捨てた捨てた捨てた捨てた捨てた捨てた
…捨てたっっっ!!
孝介は、頭を掻きむしる。
気持ち悪い気持ち悪い
自分自身が気持ち悪くて仕方ない。
「おっ俺は俺は……」
そんな咆哮をする孝介を
日菜は、「…大丈夫だよ」
と強く抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だからね」
「日菜…姉っ」
「落ち着いて大丈夫だよ
...こうちゃん」
そう言った日菜の目は、
怪しくも爛々と輝いていた。
こんにちは、作者です。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
いや〜難しい表現の仕方に四苦八苦しております。
さてこの章は、
次で終わりになる予定です。
拙い小説では、ありますが完結まで
頑張りますのでよろしくお願いします。
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